1(puredistance)

ピュアディスタンスの処女作、1をご紹介します。

"Understated elegance in its purist form "


Puredistance 1 Perfume - Understated Elegance in its Purest form

"静寂の中で身に纏う、ラグジュアリー"

タンジェリンブロッサム、カシス、ネロリビガラード、マグノリア、ローズワルディア、ナチュラミモザ、スイートアンバー、ベチバー、ホワイトムスク

賦香率は32%、調香師はアニー・ブザンティアンです。これは元々アニーさんが自分のために作っていた最高傑作だったそうですが、ある日偶然(それとも運命?)フォス社長が作ったピュアディスタンスのコンセプトに出会い、何と自分がその香りを作っていた時の気持ちと全く同じだったことに驚いたのだとか!
しかも、両方とも全く同じ絵(雑誌から取られたもの)からインスパイアされたものだったそうで、公式サイトでは「ユングはこれを synchronicityと呼ぶ」とまで書いています。

 

第一印象はまず「ピュア」。ピュアディスタンスの名前に深く関わっていると考えられます。というのも、「ある日ピュアなディスタンスを持った女性のイメージがフォス社長の頭に浮かんだ」とあり、その後フォス社長のアイデアとアニーさんの調香が全く一緒だった、というストーリーがあるためです。(違っていたらすみません、ご指摘ください)

香り自体はウォータリーなフローラルであるように感じます。公式サイトではシンプルな白のドレスを着た女性の動画・絵が公開されていますが、私がイメージするのは柔らかなニットにジーンズで家で寛ぐ女性。シンプルでカジュアル。いずれにしても、余計な装飾は要らないのだと思います。

とはいえ、最大公約数的なものは不思議と感じません。BLACKやMは「大多数の人に好かれようなんてそもそも考えていない」というようなコンセプトで、最大公約数的な香りにならないのはわかるのですが、1は割と万人ウケしそうなコンセプトでありながら意外と人を選ぶような気もしています。


ちなみに、こちらのインタビュー↓にあるように、puredistanceのJ.E.フォス社長にとっても、なくてはならない、1番のお気に入りなのだそうです。

http://whatmenshouldsmelllike.com/2013/05/14/puredistance-exploring-the-collection/

M(puredistance)

Mをご紹介します。

ボンドカー(アストンマーチンの車)からインスパイアされたオリエンタルレザーシプレです。温かな滑らかさがあり、スモーキーで、”hint of excitement and danger”とのことで、いかにも危険な香りがします。
 
イメージ動画をどうぞ。
車に乗る男性、そしてMをもらい(奪い?)立ち去る女性。
「女性も使えますよ!」
ミサイルは出ません。
 
賦香率は25%、調香はロンドンのロジャ・ダヴです。
香料はベルガモット、レモン、ローズ、ジャスミン、シナモン、パチュリ、モス、シスタス、ベチバー、バニラ、レザー、ムスクです。
 
立ち上がりからして、渋いです。和装にも合いそうなイメージ。最初手首につけた時はあまりの渋さに「うわーこれは使いこなせないわあ…」と思ったのですが、内腿につけるとだいぶ印象が違います。渋いけど、良い匂い。シトラスとシナモン、特にシナモンがとても心地よく感じられます。
その後主役のレザーが登場し、「温かな滑らかさとはこれか…」としみじみ。どっしり男臭さが来るかと思いきやとてもスマートです。
 
家の中でくつろぐための香りというよりは最高にキメて外に出る時につけたい感じで、寒風の吹く中トレンチコートを着て街を歩く、そんなイメージが湧いてきます。
女性がつけたら最高にかっこいいと思います。決してフェミニンな香りではないのですが、むしろ女性の方が使いやすいのではないかと私は感じました。男性であれば、スマートな方に似合うのではないでしょうか。
男性も女性も、つけこなしている方がいたら思わず振り返ってしまいそうです。

WHITE(puredistance)

続いて、WHITEです。

「美しく、ポジティブな香りで、一瞬で厳しい現実を忘れ、幸せな気持ちになれます」というのがコンセプト。白と金色の夢。
えっドラッグ?―その真実はいかに。

まずはイメージ動画をどうぞ。


Puredistance WHITE Perfume - A Dream in White and Gold

(個人的には、満面の笑みで手のひらに花びらをのっけてフゥーッ(息を吹きかける)ヒラァッ…(花びらが舞う)というイメージはあんまり無いです…)

 

香料はフランスのローズドメ、イタリアのオリス、マイソールのサンダルウッド、イタリアのベルガモットベネズエラのトンカビーン、ムスク、ハイチのベチバーとインドネシアのパチュリ。
調香師はBLACKと同じアントワーヌ・リー。賦香率はなんと38%です。

 

トップは日によって感じ方が違うのですが、「幸せホルモンドバァーッ!」というイメージを持つことが多いです。テンション高い。
ただし、ホルモンドバァーッよりも、デパートの化粧品カウンター独特の良い匂い(「化粧品売り場の匂い」というとマイナスの意味で語られることが多いですが、これはプラス)、自分に合った商品をじっくり選ぶ時の幸せな高揚感を感じることもありました。その両方を感じる時もあります。

おおお…ドラッグ的効果じゃ…。と思いきや、その後、春や秋の暖かい陽ざしの中にいるような、ささやかながら確かな幸福感が身を包みます。これが長く続き、本当にぽかぽかの陽ざしを浴びているようなのです…!

素晴らしいのは単に軽いフローラルではなく、サンダルウッドなどが入っているため奥行きが感じられることです。また、パルファムのため拡散性が低く、周囲に迷惑をかけることなしに自分だけの愉悦に浸れるのも良いです。とても良いです(大事なことなので2回言いました)。

WHITEはピュアディスタンスの人気No.1商品だそうで、世界中の人々も私達日本人と同じく厳しい現実を生き抜いているのだと、ある意味当たり前のことを再認識させられました。

ANTONIA(puredistance)

続いてアントニアをご紹介します。


2011 Archived: Puredistance ANTONIA Perfume - Strong, Original & Beautiful

強く、ポジティブで、なおかつ優しい女性のイメージ。モダンでも時代遅れでもなく、タイムレス。純粋、フェミニンで自信に満ち溢れています。

調香師はオパルドゥと同じくニューヨークのアニー・ブザンティアン、賦香率は25%です。香調はグリーンフローラル。
香料はジャスミン、ローズエッセンス、イランイラン、オリス、アイビーグリーン、ガルバナム、バニラ、ベチバー。

 

まず、鮮やかなグリーンの熱烈な歓迎を受けます。森林の中を歩いているよう。それが落ち着くと、マットな香りへと質感が変わります。

 

まさに芯の強い女性のイメージ。

くつろぐというよりは前に進みたい時につけたい香りで、困難に直面する中でも自分を後押ししてくれるように思います。

OPARDU(puredistance)

オパルドゥをご紹介します。
 

つけた途端「はああああ〜〜オパルドゥ〜〜〜」と仰け反りたくなる、そんな香りです。

 
香料はライラックヘリオトロープ、チュベローズ、ガーデニア、バイオレット、ブルガリアンローズ、カーネーションジャスミン、シダーウッド。あまり重さは感じません。
調香師はニューヨークのアニー・ブザンティアンです。賦香率は32%。
 
「このトップ…どこかで嗅いだことのある匂いだな」と思ったら「はっ…ニベア!」と閃きました。あのハンドクリームの匂いをもっと繊細に、複雑にした感じ…。ニベアの匂いが好きな方にぜひお勧めしたいです。
 
イメージギャラリーはこちら。
愛、ロマンス、誘惑の記憶。在りし日の、ベルベットのようなパリの夜。
 
昔を懐かしむ、クラシカルな香りとのことで少々とっつきづらいのかな?と思いきや、気負いのない香りがとても素直に広がります。
非常に円く、柔らかく、包み込むような香りで、シェイドゥナが綺麗なお姉さんだとしたらオパルドゥはもう少し年齢が上です。
事前にネットでクチコミを読み漁り「最高のパウダリーな香水」と予習していたのですが、実はパウダリーなものに対して食わず嫌いの苦手意識を持っている私、どうかなあ好きになれるかなあと少し不安を持って纏ってみました。しかしこれは肌の上で非常にふんわりと香り、粗い粉の感じは出ず、どこまでも滑らかな感触が続きます。
 
これって「パウダリーなんだろうか?」。
…というか、私の中で「パウダリー」のイメージが誤っている気がしてきました…。お粉で少し咽せてしまう時のような匂いを想像していました。体調によってデパートの化粧品売り場の匂いをきつく感じてしまう時とか、あの感覚(※化粧品売り場自体は嫌いではありません)。あと、もう少し粒子が粗い物。視界不明瞭で、バフバフしてる感じ。
…何となく悪意が感じられて私の食わず嫌いっぷりが露呈してしまいましたが、この香水に関しては全く不快感がなく、目の前が見えないような粉々しい状態というよりは、割と視界が良好です。パウダリーに苦手意識を持っていらっしゃる方もトライできるのでは?と思います。
 
ちなみに、チュベローズに関しても強烈な苦手意識を持っており、香料リストに入っているだけで避けようとしてしまう私ですが、これに関しては前面に出てくるようには感じられないため、難しいことを考えずにつけられるのが嬉しいです。
 
ローズやアルデヒドに対する苦手意識がシェイドゥナで破られ、パウダリーやチュベローズに対する苦手意識もオパルドゥで破られ、ピュアディスタンスの香水には「自分の好みはこんなもの、これは好きだけどあれは嫌い」という思い込みをことごとくぶち破ってくれる力があるように感じています。
 
まだご紹介できていない香りはあと4つ。試せるのが楽しみです。

2017.10.22追記
私がこの香水をつける時、どうしても脳裏に浮かんでしまう言葉があります。
「…オカアサーン…」
自分の母親はオパルドゥのイメージと違いますし、実際に母を思い出す訳ではありませんが、全てを受け入れ優しく包み込んでくれて、どこか懐かしさを覚える存在を感じてしまいます。私は「世の母親はみなそういうものだ」とは思いませんし、母性も信じていませんが、要するに何が言いたいかというと、これ以上無いほど寛げる香水であるということで、全てを受け入れてくれるようなオパルドゥの香りにはひたすら頭が下がります。(と、書きながら、自分が人の親になったら「何都合のいいことを言ってやがんだい」、とこれを書いた今日の自分に言ってやりたくなるような気もしています)

BLACK(puredistance)

オランダ本国からピュアディスタンスのサンプルセットが直送で届きました。

現行品7種類(ヴァルシャーヴァは現在ポーランドにて限定発売中であり、11月から世界同時発売のため入っていません)が少量ずつ入っています。

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SHEIDUNAがあまりに良すぎて(とても癒されるアンバーローズなのと、香気が拡散しない一方で、じわじわと湧き上がり身体を包み込む感覚は他では味わったことがありません)他の香りも気になってしまい、注文しました。
発送はオランダ郵便で、届くまでに2週間かかりませんでした。
 
その中からひとつひとつ、所感を記していこうと思います。
 
最初はBLACK。香調を一切開示せず、「心に描け、嗅いで、感じろ。分析するな」というのがコンセプト。香料が何か、その産地がどこかなどは全く知らされません。
キャッチコピーはMysterious, warm & elegant. 「"Beauty of the unknown(秘めたる美)"を大切にするため、原料は開示しません」と公式サイトにあります。調香師はフランスのアントワーヌ・リー、賦香率は25%です。
 
 
元々私は香料をあまり嗅ぎ分けられないので全くノープロブレムなのですが、「純粋に、ただひたすらに、良い香り」と言うことはできます。まさにキャッチコピーどおり、ミステリアスで温かくエレガント。強いて言えばウッディオリエンタルに分類されるのでしょうか。
 
ムエットの上ではドライでハードな印象が強いものの、肌に乗せると全く違う表情を見せます。
 
コーヒーの匂いとは異なるのですが、それを嗅いだ時に湧き上がる、「リラックスしながらもスイッチをオンにできるような、幸福な気持ち」に近い感覚が得られるように感じました。個人的には、キメの一本として使っても良いのではないかと思います。肩の力を抜きながらも集中力を高められる、そんな香りだと思うからです。
しかし万人ウケするかというとそんなことはなく、最大公約数的なものは期待しない方がいいと思います。とはいえ、そこがこの香りの最高に良いところで、好きな人にとってはたまらず、(拡散しないので)人知れず愉悦に浸れるのは無上の喜びと言えるのではないでしょうか。
 
要するに私は完全に惚れ込んでしまったということです。一発目からやられてしまいました。
他の香りも使うのが楽しみです。

SHEIDUNA(puredistance)

日本人のブロガーTanuさんのブログ(La Perfumerie Tanu)を読み、むくむくと興味が湧き、何度もSHEIDUNAの記事を読んではどんな香りだろうかと想像を膨らまし、折しも期間限定でTanuさんのオンラインショップで取り扱われているということで…注文してしまいました。
Tanuさんの記事
オンラインショップ
各種類2mlずつ入ったサンプルセットもあります。
※puredistanceのオンラインショップでも買えるようです。
 
こんなに豪華な箱に入っているものは見たことがありません。社員がリボンを結んでおり、結び目を見ただけで誰の手によるものかがわかるそうです。

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17.5mlサイズのボトルは試験管のような形です(もうそのようにしか見えない…)
 
puredistanceはオランダのメゾンで2007年創業、パルファムしか作らないという気骨あるメーカーです。作る香りは概して賦香率が高く、これに関して言えば27%!中には38%(!!)のものもあり、一般には15%を超えるものがパルファムと呼ばれるので、いかに贅沢かがわかります。
 
香料は、レモン、タンジェリン、ブラックカラント、アルデヒドブルガリアンローズエッセンス、ゼラニウムクローブ、ベチバー、パチュリ、アンバーウッディ、インセンス、ベンゾイン、ミルラ、トンカビーン、バニラポッド、ムスクとなっています。
(puredistanceの公式サイトより)
調香師はパリ在住のセシル・ザロキアンです。
夕暮れ時、金色に輝く砂丘がどこまでも広がっている風景からインスパイアされています。
 
私の印象としてはローズがメインとなって香ります。しかし清楚で清潔なソーピーな感じでも、お色気ムンムンな感じでもなく、アンバーもメインとなって香るためか、ひたすら親切な年上のお姉さんのような香りがします。色で言えばアンバーブラウン。黒髪で睫毛が長くて伏し目がち、褐色の滑らかな肌の美人です。
 
ローズが苦手、アルデヒドも苦手と思い込んでいる私がひと吹きしただけで恋に落ちました。
上記のお姉さんと一緒にいる時のような、その美しさにドキドキする気持ちと、温かな性格に一緒にいて安心する気持ちの両方が湧き上がってきます。

フルーティーと言うわけでもないのですが、私は何故か桃を思い出します。
 

オリエンタルセンシュアリティとパリジャンエレガンスの融合とありますが、そこまでスパイスや、バニラなどの甘みが強くないためか、それとも私自身が中東に行ったことがないためか、あまりスーク(市場)に迷い込んだような感覚は抱けず、どちらかといえばヨーロッパのイメージを強く持ちます。しかしルタンスのようなフランスのエスプリずどーんだったり、ディプティックのような小洒落た世界というよりは、どこか親しみやすいところがあり、親切な年上の友人に対するような気持ちが抱ける、そんなフレグランスになっています。単にヨーロッパ的なものだけで出来上がっている香りではないこと、そしてボトルが試験管のような形であることも、親しみやすさの一因のような気がします。

 
付け方としては、内腿にワンプッシュするか、ウエストの前にワンプッシュして霧の中をくぐり抜けるようにして使いたいと思います。LPTさんのショップで大きめのムエットと、それを入れるOPP保管袋も購入したので、身体につけられない時はムエットを持ち運ぶ予定です。
 
お姉さん、これからよろしくお願いします。