とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

【用語解説という名の前置き】フルボトルを買う香水をどうやって決めているか

今年は、信じられないほどの本数のボトルをお迎えしました。中にはミニボトルやトラベルサイズと呼ばれる、4ml,7.5ml,10ml,15mlのものもあります…が、いずれにせよ数は多いです。

主な理由としては「コロナ禍により、外出自粛は最初のうちはこたえなかったものの(※元々ひきこもりなのと、リングフィットやフィットボクシングなどのゲームに忙しかったので)、家事が増え、家族とのすれ違いが増え、社会に蔓延する不安や人々の政府に対する怒り、お互いへの不信感、あらためて露わになる日本の相互監視社会っぷりに精神がやられて何本か爆買いした」のが発端ですが、出会いはまた新たな出会いを呼ぶもので、結果的に増え続けています。

しかし、「買って後悔した、自分には合わない、手放したい」と思うものはほとんどありません。

そこで、私が2020年現在、どのようにフルボトルを買う香水を決めているかについてお伝えしようと思います。

 

…と本題に入る前に、「フルボトル」という言葉が耳慣れない方もいらっしゃると思います。

「フルボトルを購入する」とは「香水をボトルで購入する」ことを指します。要するに、こういう形態のものを買うということですね。

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セルジュ・ルタンスの名香、フェミニテ・デュボワの50mlボトル。

 

「は?当たり前じゃない?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、基本的に香水をボトルで購入するということは、それなりのお値段(※ピンキリ)を出して、ある程度の量(※最低でも50ml以上のブランドが多い)を手にすること。

こんな言葉が存在するということは、その他にもっと気軽に試せる形態があるということです。例として、①ムエットや②サンプル、③小分けなどがあります。

 

①ムエット

ムエットは試香紙というもので、香水売り場にはどこにでも置いてあり、「とりあえずその香りがどんなものかざっくり知りたい」という時に紙にシュッとスプレィして嗅ぐものです。例えば、遠方などで店舗に足を運べない方のために、ムエットを郵送で送ってくれるブランドやお店などがあります。

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ムエットの例。これは他のブランドに比べて大きいです。四角いものだけでなく、細長いタイプのものもあります。

ただし、ムエットという紙の上での香りの出方と、肌に乗せた時の香りの出方は異なることも多いです。そこで、実物を少量手に入れ、実際に肌に乗せて試せるのが②サンプルと③小分けになります。

 

②サンプル

サンプルというのは、そのブランド自身が販促のために作るお試しサイズのもので、だいたいフルボトルを購入するとオマケで売り場の人がつけてくれます。ブランドの直営店であればそのブランドのものになりますが、様々なブランドを取り扱う売り場では他のブランドのものをつけてくれることも。フルボトル購入時、他に気になっているものがあればそれを店員さんに伝えてみると、売り場にサンプルがある限り基本的にくれます。

ちなみに、百貨店などのオンラインサイトでフルボトルを買っても100%ついてこないためご注意ください。ノーズショップのオンラインもついてきません。

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小さな箱に入っていたり、冊子のような形をしている場合が多い。

昨今では

ディスカバリーセットという形でサンプルの詰め合わせをブランド自身が売る

・ブランドがサンプルを単品で売る

・輸入代理店が何らかのテーマに基づいたサンプルの詰め合わせを売る

・輸入代理店・小売店がサンプルを単品で売る

など、元々オマケ要素が強かった(逆に言えば、フルボトルを買わないともらえない)サンプルも「売り物」になることが増えてきたと感じます。

 

③小分け

一般的に日本語で「小分け」と呼ばれるものは、ブランド自身ではなく、香水の小売店や小分け専門店が販売のため、もしくは一般の個人が他の人に分けてあげるために、フルボトルから香水の液体をアトマイザーと呼ばれる小さな容器に移したものです。

アトマイザーというのはこういうもの(下の画像参照)で、ガラス製のものも、ポリプロピレンと呼ばれるプラスチックの一種でできたものもあります。他人に配る以外にも、自分自身の香水を持ち運ぶために使えます。

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日本の香水小分け専門店では1mlから購入できるところが多いと思います。

なお、この形態でも海外ではSampleと呼ばれますのでご注意を。海外の大手香水販売サイト(Luckyscentなど)では「0.7mlワンサイズのみ」などもあります。

 

【まとめ】

「フルボトルを購入する」というのは、「ムエットやサンプルや小分けではなく、ある程度の容量がある、香水本来のボトルの形で購入する」ということです。

ちなみに、海外製の香水は一回スプレィした時の噴霧量がおおよそ0.13mL〜0.15mLと言われています。日本製の香水や、アトマイザーはこれよりも少ないようです。となると、50mlのボトルを買うと、だいたい333プッシュは使える計算になります。一度に何プッシュ使うかは人にもよりますし、香水好きの方は(一般的に)TPOによって量を調整しますし、香水によっても適量は異なるため一概には言えませんが、だいたい1~2プッシュで済ませる方が多いのではないでしょうか。となると、毎日同じものを使っても半年から一年かからないと使い切れないことになります。

要するに、香水は「思ったより減らない」と思っていただければいいかと思います。複数本所有していれば使い切るのには更に時間がかかります。

なお、メゾンフレグランスとか、(特に英語で)ニッチフレグランスと呼ばれる部類のものは、ボトル1本が最低50ml、定価1万3千円(税込)以上のものがほとんどで、「ボトルをお迎えする」ということは「それなりに長期的にお付き合いする前提でそれなりのお金を払う」ということになります。

 

つまり…

「覚悟はいいか?オレはできてる」(※ジョジョネタ)

ということです。

海外のクチコミサイトでは、"Definitely worth FB!"(マジでフルボトル買う価値アリ!)や"not worth FB"(フルボトルなんて買わなくていいよ)などという文言を頻繁に目にしますね。

 

To be continued...⇒