とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

夏に似合う香水14選(2020年版)

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みなさま、お久しぶりです。

気がつくと去年の2月から記事を書けていませんでした。理由は、端的に言えば分析的な嗅ぎ方ができなくなったからで、「ここではこの香料がメインに感じられて、その次はこれが出てきて」…などと感じることがだいぶ難しくなりました。

しかし香水にハマり続けているのは事実で、細かな香料などのことを気にしながら纏うことはなくなったものの、ぼんやりと大まかなイメージで捉えその表情を楽しみ、自分にとって使いたいベストのシチュエーションを考えたり、体調や季節による香り方の違いを楽しみ同じ一本が見せる様々な表情に驚いたりと、長い目で一本一本と付き合うようになりました。

 

個人的な状況の変化としては、会社勤めを辞め、在宅フリーランスになりました。
そして任天堂のおかげで、自宅でのフィットネスにハマりました。外出自粛の社会状況もそれを後押ししました。
具体的には、任天堂Switchのソフトであるリングフィットアドベンチャー、フィットボクシング、ジャンプロープチャレンジをプレイしています。ほぼ毎日運動し、汗だくになって終わったらすぐシャワー!はー、最高。

 

新型コロナウイルスの流行で社会状況は大きく変化し、テレワークなどで自宅で過ごす人が増えたり、先に挙げたような自宅でできるフィットネスが人気です。

政府による緊急事態宣言は解除されましたが、これを書いているまさに今、第二波が日本を襲っている状況であり、今年の夏はどうなることやら、とニュースを見ながら思うことも多いですが、そんな新しい社会環境の中でも「とりわけこれは夏に似合うのではないか」と思う香水を14本ほどピックアップいたしましたので、読んでいただければ嬉しいです。

細かい香料や香りのコンセプトなどをお知りになりたい場合は、過去に記事を書いたものについてはリンクを貼っておきますので、そちらも併せてご参照ください。
私自身の感じ方は歳月を経て変わっているものも多いですが、香りのコンセプト、インスピレーション源、公開されている香料などに関しては毎回可能な限り公式サイト(海外の本国サイト含む)を読み込んで書いてきましたので、変わりはないと思います。

アフィリエイトはつけていませんので、ブログのアクセス数が増えたところで私には一銭も入りません!アクセス数稼ぎではありませんのでご安心を(?)。


前置きが長くなりましたが、ではスタート!


<NHK>2020応援ソング「パプリカ」ダンス ミュージックビデオ

(2020応援ソング 「パプリカ」の途中に出てくる子供たちの声で。2:50あたり。米津玄師バージョンは8月発売の新アルバムを買ってゲットする予定です!)

(写真左から)

1.アールフレグランス ノーブルオーキッド(春蘭)
グリーンフローラルで上品の極み。なよやか。
個人的には春を待ちわびる頃から、春の初めがベストシーズン。先日使ったら夏でもOKだと判明。

 

2.ザディファレントカンパニー セルドベティベル
ベチバーは根から取られる香料のため、基本的には根っこっぽい、土っぽい、どちらかと言うと重ための香料です。
しかしこれは軽やかなベチバーで、グレープフルーツやシーソルトなどと組み合わさり、熱苦しくない、大変スマートな作品になっています。カッチリしたオンの場面にも似合うので、個人的には自宅で仕事をする時につけたい。セリーヌ・エレナさん渾身のベチバー。

 

3.アムアージュ オーパスV
正直、これをどれだけ使うかは今年の夏がどれだけ猛暑かに寄ります。オマーンの香水でイリスとラムの豪華極まる饗宴。全く爽やかではなく、どっしりしていて厚みがあります。しかしそこは中東向け、暑い中でこそ本領を発揮。
でも実はこれよりリリックウーマンの方が好き(ボソ

 

4.ラルチザンパフューム モンニュメロ9
現在はボトルが変わって、透明なガラスのボトルに黄色の液体が入っています。
メインはレモン、シソ、パチュリで、単なる柑橘系に終わらない、骨のある香りが魅力です。
本国サイトには「コンセプトは日本の温泉から漂う、元気が出てくるような香り。コロンも温泉も、感覚を目覚めさせてくれます。」って書いてあるけどお前温泉入ったことないだろ。

 

あ、フランス人にとってはそうなのかな。お湯が熱すぎるのかな。そもそも温泉は硫黄の匂いでは…ゴニョゴニョ

お風呂っぽい香りをお探しなら、ペンハリガンのサボイスチームを勧めます。あちらはトルコ風呂(蒸し風呂)ですが、ひとっ風呂浴びた後のホワホワした感じが出ていて、かつローズマリーでハーバルなところもあるので夏にオススメです。(持っていません)

heleninthegarden.hatenablog.jp

 

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5.ラルチザンパフューム パッサージュダンフェ
旧日本名「地獄通り」。基本的にオールシーズン大丈夫な香りですが、非常にスッキリとしていて、名前とは裏腹に天に昇るような香り。お香がメインですが寺要素はなく、完全に教会っぽいです。

暑い中帰ってきて、シャワーを浴びた後につけたい香りです。
割とプッシュ数は多くてもOK、拡散性も低く、精神鎮静作用はピカイチ。なお、地獄通りはブランドのお店が昔あったフランスの通りの名前です。どんなネーミングだ…

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6.フエギア カルケハ
一度廃番になったものの、おそらく今再販されてます。
トワレより更に軽い、トニコシリーズ。でも持続力はそこそこ。4プッシュがパルファム1プッシュ相当と言われたけど、そこまでプッシュする必要性があるかは気候次第。香りがすぐ飛ぶ真夏ならプッシュ数を多少増やしてもいいかも。お店の人からは12プッシュぐらいを勧められましたが、多分それやったら私は死ぬ。
香りはちょっと形容しがたく、アルゼンチンの植物がメインらしいので日本人としては馴染みのない香り。でも親しみやすいとは思います。苦みが特徴と説明されるけど、私にとっては苦くないし、人によっては甘く変わるみたい。
ぼや~っと切れ味がなくなり上手く香らない時と、綺麗に香る時の差が激しく、そもそもこのブランドの香水は季節の影響を受けやすいのですが、色んな季節に使ってみてください。意外と冬の方が綺麗に香るかも。

 

7.ディプティック オードリエル
ツタの香り。とはいえツタから香料は取れないので、あくまでイメージ。端的に言って軽めのグリーンです。ガルバナム、 シクラメン、 ローズウッドだけどそんなに私はウッディには感じません。光の速さでいなくなる(=香りを全く感じられなくなる)ので、大丈夫かと言いたくなる。一日の中で何度も付け直すのがおそらく正解なのでしょう。でも私だったら、消えた後は気分を変えようと他の香りをつけると思います(笑)

 

8.トゥルドン II(ドゥ)
これはガチで森の匂い。森系の香りには詳しくありませんが、森そのものをテーマにした香り自体それほど多くはない印象で、森と言ってもウッディが強かったり、グリーンが葉っぱの爽やかさであったり、腐植土の匂いを強調していたりと、森のどこかの側面を強調したものが多いように思います。
これは森そのもの、森全体を身体で感じられます。
しかし代理店の都合でブランドの日本撤退が決まっており、現在は在庫の売り切れ次第販売終了という状況になっています。

 

9.パルファンサトリ ミズナラ
個人的ベストシーズンは初夏。ミズナラの林を駆け抜けていく風と、ウィスキーの樽香、オーセンティックバーの木のカウンター…ということで、ウッディだけど軽さもあり、私としては涼風が吹き抜けていくような印象を受けます。

 

10.パルファンサトリ 苔清水
いつが一番いいんだろ。
確か屋久島がイメージ。まさに清流のような香り。でも若干モワッとしたところがあります(=完全にスッキリというよりは丸みがある)。去年の6月にボトルを購入しましたが、その年の夏は南の国で1ヶ月過ごし、暑すぎてほとんど香水をつける気にもならず、結果あまり使わず。今年リベンジします。

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(左下へ)

11.ラルチザン タンブクトゥ
今は100mlのみの取り扱いで、50mlボトルは消えました。そういうのやーめーてーよー!(※ラルチザンではよくある話)

これは頂き物で、何本かミニボトルがセットになったものに入っていたそうです。
西アフリカのマリに伝わる“恋人を虜にする香料”からインスパイアされた香り。アフリカ原産の香料が使われています。雑にくくるとウッディ系だと思いますが、非常に艶のあるエロい香りです。

しかしかなり独創的で、変わり物好きな人には勧めますが、モテ香水としてはお勧めしません。異性ウケを狙うと、相手も変わった香りが好きでない限り、多分「この人って個性的(変わり者)なのかな」と思われます。ご注意を。

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12.武蔵野ワークス 菖蒲の葉

日本の優しい香水を作る、実店舗を持たないブランド。強く香ることがなく、持続力もないとブランド自身は言っていますがモノによっては長ーく香ります。具体的に言うとジャスミンはかなり長く香っていました。
25ml、4ml、モノによっては1mlサイズまで展開。そもそもそんなに量を使わない日本人にとっては天国のようなラインナップ。刮目すべきはその値段、25mlで3800円、4mlで880円。実店舗では試せないけど、オンラインで買って失敗しても、これならお財布が痛くない!!
嫌な香り方をしない、種類が多い、わかりやすいタイトルの香水が多く、「そうそうこれが欲しかった!」という香りがある、そして一見シンプルながら作り込まれているという点で推せます。良心の塊。

と、ブランドについて熱く語ったところで、菖蒲の葉自体はグリーンウッディです。

公開されている香料は、

トップ:レモン、シトロネラ、ユーカリ など。
ミドル:ジンジャー、ローズ、ゼラニウム など。
ボトム:シダーウッド、サンダルウッド、ガイアックウッド など。

カタカナが並んでいますが、不思議と日本の葉っぱの匂いを思わせるから素敵です。

 

13.武蔵野ワークス ヘルシンキ空港

フィンランドヘルシンキ空港をイメージした香水。

これぞ夏に使いたい!!ミント、シトラス、針葉樹林!!

スペアミントは冷涼な北欧の空気の象徴だそうです。ミントの香りが欲しい人にお勧め。
※ちなみにもう一つのミント香水、スノーミントは未体験です。

あ、雰囲気がほんの少しアニック・グタールのニュイエトワーレ(日本語訳:『星降る夜』。廃番)に似ているかもしれない。ミントとシトラスと針葉樹。あちらの方がロマンティック、こちらの方が空港の開放感、スマート・スタイリッシュさを感じますけれど。

 

14.ピュアディスタンス シェイドゥナ

オールシーズン行けますが個人的には夏に推したい!キリッとしたオリエンタルで甘すぎない。オリエンタルというと秋冬のイメージですが、むしろ夏にオススメ。オリエンタルセンシュアリティとフレンチシックの融合がテーマ。
おそらく簡単に形容するとアンバーローズなのですが、煌めきがあります。特にトップがキラキラキラキラッ…と立ち上ってくるのは堪らない愉悦です。ありがとうセシル・ザロキアン!(オリエンタルの女王と呼ばれる調香師。パリの方向に向かって合掌)

多少酸味がありシャープなところがあるのですが、夏は暑さと湿度でそれがマイルドになり、パルファム濃度であることからジワジワと身体から香気が立ち上がり、なおかつ持続力もあります。

 

シェイドゥナはお家エクササイズに最もオススメ!
体温が上がり汗も吹き出る中、煌めき揺らめき立ち昇るようなシェイドゥナの香りはぴったり。
ピュアディスタンスの他の香りに比べてクラシック度が低く、気負わずにカジュアルにつけられるのもポイント。
私の場合、クラシック(古風と言い換えてもいい)で古き良き時代を彷彿とさせるものをつける際は服装も合わせたく、スポブラにドライ素材のトップス、ヨガパンツで運動する時にはあまり使いたくありません。
その点シェイドゥナはエクササイズの時につけても全く問題なし、むしろスタミナが向上して、普段より長く運動を頑張れるような気さえします。
ジムだと香水はつけづらいと思いますので、お家で運動する時にぜひ!!

 

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一般的に夏向けとされるシトラス系の香水は、つけた瞬間はリフレッシュできますが、香料の特性上すぐ飛ぶものが多いと言われていますので、長い時間香水を楽しみたいのであれば、シトラス系トワレなどよりも、他のパルファム濃度のものがオススメです。

 

シトラス系でパルファム濃度のものは少ないです。コロンかトワレがほとんどだと思います。シトラス系でも持続力を持たせようとしたブランドがアトリエ・コロンだったのですが、残念ながら日本から撤退してしまいました。


濃度の薄いコロンやトワレほど拡散性が高い傾向にありますので、ジワジワ来る香りが欲しい場合は濃度が高めのものをお勧めします。
ただ、パルファム濃度(15%以上)であっても、オードパルファム(EDP、本来は10~15%)の名称で売られているものも多いので、その辺りは店員さんに聞いてみてください。

 

みなさまの夏が最高のものになりますように!