ル シェブルフイユ、イル オ テ、デュエル(アニック グタール)
アニック グタールは以前プチシェリーがあまり合わなかった記憶があり、あまり試してこなかったのですが、フォロワーさんたちがよく話題にされていることもあり、いざフレグランスコーナーへ。ムエットでの試香です。
1.ル シェブルフイユ
ブランド創始者の娘であるカミーユが子供の頃、ハニーサックル(シェブルフイユ)で王冠を編み遊んだ思い出が元になったフレグランス。ハニーサックルとはスイカズラのこと。
春の訪れを告げる香り。あたたかな日差しの下で、花で遊ぶ少女…そんなイメージが浮かびます。シンプルに、「とても幸せな、良い香り」だと思います。嫌いな人はいないのではないでしょうか。私もムエットを何度も嗅ぎました(笑)
Café des Parfums|カフェ デ パルファム|アニック グタール|ル シェブルフイユ オードトワレ
2.イル オ テ
アジアを旅する中でインスピレーションを得た香り。ネーミングは「お茶の島」。
香料はグリーンティー、マンダリン、オサマンサス、ホワイトムスク。
「緑茶~!」というほど緑茶ではないです。シトラスのすっきりさもありますが、レモンティーというわけでもありません。ただ、グリーンティーの香りだからなのか、爽やかでありながらとても落ち着きます。
Café des Parfums|カフェ デ パルファム|アニック グタール|イル オ テ オードトワレ
3.デュエル
メンズです。決闘という名前から、闘いに使われる革の手袋が表現されています。プチグレンにグリーンマテのレザーノートをブレンド。
レザーが前面に出ているというより、どちらかというとハーバルな印象を受けました。レザーが全体を支えている感じです。
しかし、名前に反して深く柔らかく、ある意味面白い香りだと思います。好戦的、攻撃的な印象は一切受けません。むしろとても楽しい香り!
メンズ向けなので、上記のレディース向けとは少し趣が違う感じ。3つの中で一番気になりました。
Café des Parfums|カフェ デ パルファム|アニック グタール|デュエル オードトワレ
アニック グタールは楕円形のボトルがめちゃくちゃ可愛いんです(デュエルはメンズなので四角いボトルですが)。
香りも全体的に優しいので、気持ちまで優しくなれそうです。
アンバー&ラベンダー、ナツメグ&ジンジャー(ジョーマローンロンドン)
ムエットでの試香です。
ジョーマローンロンドンのスパイシー系には2種類あります。
そのうちのひとつが、アンバー&ラベンダー。店員さん曰く、クラシカルな香りとのこと。
トップノートはプチグレンとラベンダー。そこに樟脳やはちみつ、干し草が加わります。ラストはアンバー。スパイシーでありながら、温かみのある香りです。
もうひとつはナツメグ&ジンジャーです。こちらはジョーマローンロンドンの最初のフレグランス。柑橘系も入っており、人によっては最後までレモンが香るようです。香料はジンジャー、ナツメグ、シダーウッド、サンダルウッド。
どちらが夏向きかと言われれば、ナツメグ&ジンジャーの方がすっきりしていて、これからの暑い季節にも合うのではないか、というお話でした。しかし私はアンバー&ラベンダーの温かみも忘れられません…!いや、確かに秋冬につけたいけどさ…!!ふおおおお…!!!
今回は残念ながら手首につけることは叶いませんでしたが(他のものをすでにつけていたので)、ASAPで肌に乗せに行きたく思っております。
夜間飛行 香水(ゲラン)
1933年、ジャック・ゲランによって生まれた名香「夜間飛行」。友人アントワーヌ・サン=テグジュペリの小説にヒントを得て創作されました。当時の著名な女性パイロットであったエレーヌ・ブーシェのように、女性らしさを失うことなく、男性中心の社会でも自分の立場を貫き、冒険的で志のある女性に捧げられた香りです
(公式サイトより)
このエピソードに泣きそうになります。
オーデトワレのデザインも素敵なのですが、香水の瓶が芸術的としか言いようがないのでぜひご確認ください。
私が試したのはトワレではなく、香水のほうです。お店の方曰く、香水のほうがトワレよりアルコール量が少ないので、もっとパーソナルに香るということです(トワレのほうが拡散するそう)。
香調はオリエンタル・シプレー。トップはグリーン ガルバナム。ハートではスイセン、バイオレット、カーネイション、ジャスミン、ローズが花を咲かせます。スパイスやアンダーグロースも入っています。
と、公式サイトやパンフレットを見ながら書いてみましたが、実際はとても複雑な香りです。
肌に乗せてもらった時、「これが…これが名香か…!!!!!」と雷に打たれたようになりました。
「名香」という言葉に私はひどい偏見を持っていて、「有名であるものの、現代的ではない」というイメージでした。しかしこれは紛れもない「本物」。時代なんて関係ない。古びることがない。時を超えて、現代を生きる私たちの心に迫ってくるもの。偏見ぶち壊し。
そもそも私は「シプレー」というジャンルが苦手でしたが、これは大丈夫でした。しかし、それとは別の理由で、私のような小娘は使いこなすのに少し時間がかかるかもしれません。
「女性らしさを失うことなく、男性中心の社会でも自分の立場を貫き、冒険的で志のある女性に捧げられた香り」。1933年に発せられた、この力強いメッセージ。
80年以上経った2017年の今になっても、女性が男性と同じように働くのにはハードルが高いし、そうでなくてもジェンダーに縛られることは本当に多い。時折泣きそうになるけど、それでも、顔を上げて、前を向いて歩いていく。それを後押ししてくれる香りだと思います。
ゲランはそもそも、香水からスタートしたブランドだそうです。今日まで5代にわたる調香師たちが800種類以上ものフレグランスを作ってきたとのこと。
今回初めてゲランの香水を試してみましたが、ブランドとしての骨太さに参ってしまいました。また色々嗅ぎに行ってみようと思います。
Esprit du Tigre(ヒーリー)
読み方がわかりません(笑)エスプリ ド ティグールでしょうか。
ヒーリーでミントが入っているもの第二弾です。
お店で肌に乗せてみました。
トップ:Camphor . Peppermint . Spearmint . Winter Green
ミドル:Cardamon . Clove . Black Pepper
ラスト:Vetiver . Cinnamon
ミントというかスパイス満点な感じ。
パッケージに虎が描かれていることもあってタイガーバームを連想してしまいました(嗅いだことないけど)。この軟膏っぽい匂いを好きと感じるかで好き嫌いが分かれそうです。
それもそのはず。この香りはもともと、樟脳やミント、スパイスなどが使われた古代中国の治療薬からインスパイアされているのです。それ故か、我々日本人には「軟膏っぽい」と正直感じる部分があるのですが(私だけだったらすみません)、本国イギリスではみなさんどう思われるのかしら?
ちなみにこの香水の男女別イメージは
男性:機敏なスポーツマン。身なりがきちんとしている。
女性:やわらかい黒髪。彩り豊かで温かく、光り輝いている。
だそうです(公式サイトより、拙訳)。中国の美しい人のイメージなのでしょうか…
ロールオンアトマイザー
前回、ディプティックのオレーヌの記事を書いた後、Twitterで「オレーヌは香り立ちが強い(特にトップ)ため使いこなせていない」と呟いたところ、フォロワーさんからロールオンアトマイザーをお勧めされました。
アトマイザーとは、香水を小分けにして外出先などへも持ち運べるようにしたもの。霧吹き型のものは無印などで売ってます。
ロールオンアトマイザーは、普通の霧吹き型のアトマイザーとは異なり、上の部分がコロコロ回るようになっていて液体を少量ずつ出せるようになっています。原理的にはボールペンの大きいバージョンと考えていただければいいかも(痛くないです)。
買ってみたのはこれです。ヤマダアトマイザー。↓
使い始めのためか、液体が出てくるまで若干時間がかかってますが、これは良い。面ではなく点でつけることができます。少量ずつ出せるので、香りすぎない。逆に、たくさんつけたい時は多めに塗れば良い。量の調節が簡単なのです。とても良い買い物ができました。
なのこさん、本当にありがとうございました…!
香り立ちにインパクトがあって使いづらいものはこれからも使っていきたいと思います!
沼
すでに色々書いてますが、私は香水の沼にズブズブハマっています。
香水の何が面白いって、単に「良い匂い」ということだけではなく、ストーリーがあることなんです。それぞれに物語があり、トップ、ミドル、ラスト、ドライダウンと移っていくその様が美しいのです。ちなみに、この変化はそれぞれの素材の揮発の速さで決まります。だいたいシトラスはトップに、ウッディなテイストはラストに持って来られることが多いです。
私は雨宮まみさんというライターの方が好きで、沼にハマり始めたのも雨宮さんのブログがきっかけでした。その中で、ペンハリガンのホリデーコレクションが紹介されていたのです。
ブログ・Amazonで何が買えますか?
http://mamiamamiyashopping.hatenadiary.jp/entry/2013/11/25/031153
ペンハリガンのホリデーコレクションは、それぞれ5mlのお試しサイズが(この時は)5個入っていました。この時はフレグランスコーナーに行くのはハードルが高く感じ、ネットで買いました。
そこで「香水ってこんなに面白いものなんだ!」と気づきました。ストーリーを基に香りが変化していく。好きなものも苦手なものもある。自分のイメージに合った香水は何だろう?
そして初めてフレグランスコーナーへと足を運びました。そこは想像していたよりもずっと煌びやかな世界。香水って、ボトルも美しいんですよね。鼻だけでなく、目でも楽しめる。
それでびくつきながらも、いいなと思ったものを買っていった…という感じです。
香水は買うのにも時間がかかります。ムエット(紙)に吹き付けてもらった香りと、実際に肌に乗せた時の香りは違います。そして香りの変化を見るのに最低でも30分(ラストまで見たかったら数時間)かかります。即断即決をしない限り、再度お店に足を運ばなければならないのです。(日を改めて行ってもいいですが、間にショッピングをしながら香りの変化を見て、またお店に戻ってくるのでもいいです)
私がよく行く店舗では、店員さんが「早まるな、必ずミドルまでの変化を見ろ。ここは香水エリアで色々な匂いが漂っているから、ショッピングしたり喫茶店に行くなどして別の場所で様子を見ろ」という内容のことを(もちろん丁寧な言い方で)言ってくれたりします。即断即決による目先の売り上げよりも、客との長いお付き合い、信頼関係を築こうとしている。そこに私はプロ意識を感じます。
恥ずかしながら失敗も色々ありました。その場で即決したものの、実はミドルからラストが好きじゃなかったとか…(一部のお店では上手いもので、時間がない客のためになのか、時間が経った香りをムエットで嗅げるようになったりしています。しかし当然ながら、自分の肌の上で様子を見るのが一番です。体温によって香り立ちが全然違ってくるので)。近くにお店がないことを理由に、テスティングもしないで香料とクチコミだけを見てネットで買ってしまったり。お店で肌の上で試して、ラストまで嗅いだはずなのに、実際買ってきて家で嗅ぐと違うなと思ったり。
しかし、そうする中で、自分にとっての「失敗しないパターン」も見つけることができました。肌の上で試す、というのももちろんですが、気になる香りだけでなく、色々他のものも嗅がせてもらうこと。お目当のものより、意外と他の香りの方が好きだったりします。そして、試してみて「うーんこれは苦手だな」と思ったものや、これまでに「実際に買って失敗したな」と思ったことから、「自分の苦手なテイスト」をわかっておく。私で言えば、ローズ、ウッディ(ラストにソフトに入っているのは割と大丈夫ですが、ウッディが前面に出されたものは難しいです)、パウダリー、瓜系、アクア系、マリン系。ローズはレディースのフレグランスにかなりの割合で入っているので、残りはかなり絞られてきます。
あとは逆に、「好きなもの」を把握しておくこと。私はスッキリした香りが好きなことが多いです。とはいえ、これも例外があって、パルファンサトリのイリスオムはわりとアーシーで包容力がある感じですが大好きです。
色々なものを嗅いでみて、好きなもの、苦手なものをわかりつつ、食わず嫌いを避けつつ。それがお気に入りの香水に出会うコツのような気がします。