とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

パリエーリ

パリエーリの歴史は古く、1806年に調剤薬局スタイルのパフューマリーとして誕生し、1876年に創業者の名前であるパリエーリの名でブランドを立ち上げ、これまでずっとボディケア製品を作ってきました。2016年に創業140周年を記念し、フレグランスコレクションを発表。

それぞれがイタリアの街をモチーフにしており、ネーミングは全てラテン語。ボトルが非常に凝っていて、アンジェラ・チャンパーニャのボトル(と香りも)が陰を想像させるのに対して、こちらは明るい色が多用され、まさしく太陽の国イタリア、という感じがします。

ボトルはこんな感じ↓

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(※ちなみに、全てムエットでの試香ですが、お店から持ち帰った当日は鼻が疲れて効かなくなってしまったため、ひと晩明けたムエットでの感想です)

 

◆アグリゲントゥム
華やかで賑やかな馬車のパレードのイメージ。オリエンタル・グルマン。フローラルで始まり、マジパン(スペインなどで作られているパン)、アーモンド、パチュリ、ブラックカラント、トンカビーンズ、牧草へと移ろいます。

 

アマルフィ
アマルフィ海岸の美しい風景を表現。シトラス・フローラル・グリーン。ベルガモット、マンダリン、グレープフルーツ、ユズ、ローズ、スズラン、スイレン、シダーウッド、ムスク。トップはかなりフルーティーです。ムエットに残った香りはスズランでしょうか。シダーウッドやムスクはそこまで強く感じず、重厚感はあまりないかもしれません。

 

◆フロレンティア
フィレンツェの香り。ウッディ・オリエンタル・レザー。クローブ、サンダルウッド、レザー、アンバー、スパイシーローズ、オリス。トップは好みドンピシャでしたがラストはかなり甘く、甘いのがあまり得意でない私は「ああオリエンタルだなあ~」と思いました。

 

ジェノヴァ
シトラス・ウッディ。シトラス、ベチバー、バジル、オリーブブロッサム、サンダルウッド、シダーウッド、バルサムモミ、ミルラ。ハーバルな要素が強いかもしれません。確かに、パスタのジェノベーゼのソースって、バジルペーストに松の実、チーズ、オリーブオイルなどを加えたものですよね。香料を見て納得です。お店でトップを嗅いだ時はあまりピンと来ませんでしたが、ムエットに残ってる香りはかなり心地良く感じます。

 

◆ロマエ
シプレー・フローラル。ローマの古い回廊や建築物の壮大な床やモザイクのイメージ。ローズ、オレンジブロッサム、マンダリン、ローズベリー、パチュリ、アンバー。これも重厚感は感じず、フローラルど真ん中だと思います。

 

ヴェネツィア
木造のマーケット。ウード、アガーウッド、サンダルウッド、シナモン、サフラン、ローズ、フリージア。これもウッディ系の香料がたくさん使われているものの、ムエットに残った香りにはあまり重厚感がありません。貿易で栄えた都市だけあって、船に乗って海に出て行くような感じもあります(香り自体に塩気は無いと思います)。

 

個人的にはフィレンツェヴェネツィアに行ったことがあるので、それぞれの香りを特に興味深く感じました。「ローマを見てから死ね。」ということで、いつの日かローマにも行きたいものです。

 

ところで、イタリアの都市名で香水を作るのには強い愛国心を感じるのですが、日本でやるなら大阪はたこ焼きソースの匂いになる気しかしません。北海道はラベンダー、東京はコンクリートジャングルよろしく固めの合成香料だらけで、新潟は日本酒、京都はお香、岡山は桃、愛媛はみかん、沖縄はさんぴん茶とか…?どう考えても売れません。観光立国、ファッションの国のイタリアならではのアイデアなのかなあと思います。