とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

アンジェラ・チャンパーニャ

イタリアの中心部にあるアトリという職人の町で誕生したフレグランスブランド。
アトリの町にまつわるストーリーが香りのテーマになっています。
100mlのボトルには教会のバラ窓のモチーフが上にくっついていて、とても印象的です。お店の方曰く、香り立ちは強め。

 

アンジェラ・チャンパーニャは明かされている香料もとても多いのですが、全体的に「輪郭をぼかした色が暗めの水彩画」みたいな香り方をするので嗅ぎ分けが容易という訳ではないかもしれません。

 

◆Nox(ノックス)
太陽の至点でのダンス。主な香料は塩とヒノキ。全体は複雑ですが確かにその2つは感じられ、檜風呂の温泉に感覚は近いかも。ただし、ダンスというだけあって、温泉のリラックス感はありません。

 

◆Hatria(アトリア)
アドリア海の暖かさ。ローズとカラメルとウード。結構生花に近い薔薇の香りがするかも。ムエットからはウードの重たさは感じられません。やはり輪郭をぼかした、暗めの色の水彩画を想像します。個性で攻めまくるアンジェラ・チャンパーニャの中ではまだとっつきやすい方かもしれません。 この香りをつけている人がいたら、間違いなく振り返ります。

 

◆Ducalis(デュカーリス)
エレガントなブーケ。公式サイトにはメインは塩とoudとありますが、ウードは何故か詳細香料リストには入っていません。ゼラニウムに始まり、ローズ、メイリリー、シクラメン、イランイランが咲いていきます。海の見える街の坂道に教会があって、そこで結婚式を挙げている花嫁さんが抱えているブーケ…というイメージを思い浮かべました。

 

◆KANAT(カーナト)
古代の池。塩、ブラックカラント、サフラン。古代かどうかはわかりませんが水の濁った池という感じで、透明度は極めて低く、池(というか沼)にズブズブと沈んでいくような体験ができます。トップを嗅いで最初はお洒落さん向けの香りかと思いましたが、ミドル、ラストと進むにつれ、その手強さを感じました。

 

◆AER(アーエル)
夕暮れの霧。草と煙。トップは芝生に顔をつっこんだ時みたいな匂いがします。一日経ったムエットではもっと嗅ぎやすくなり、グレープフルーツとベチバーが感じられます。アンジェラチャンパーニャの中でお店の売り上げNo.1だそうです。

 

◆Liquo(リクオ)
神秘的な油。ヘイ(干し草)とリコリス。これも…台湾です…(ルタンスのアラビの時もそんなこと言ってた)。おそらくアニス(八角)の匂いを脳内で短絡的に台湾と結びつけてしまうのだと思います。アンジェラ・チャンパーニャの中でも非常に個性的で、人を選ぶ香りです。

 

◆Rosarium(ロザリウム)
礼拝堂の花。イリスウッドとインセンス。最後はかなり甘くなります。タバコの花、キャロットシードやセロリシードも入っています。

 

<総括>

本当に独創的で個性的です。今まで経験した中で一番人を選ぶメゾンかもしれません。

とはいえ、Instagramで#angelaciampagnaで検索すると全世界で795件ほどの投稿があり、香水店によるものがほとんどだと思いますが、一番多いのはなんとリクオ。みんなそんなに八角が好きなのか。あとは、ブリサアラのお店には置いてありませんでしたが、別ラインのFAUNI とIGNES。昨年新宿伊勢丹で開催されたサロン・ド・パルファンでも取り上げられ、そこでロザリウムを購入した、そして周囲の評判も良い、という日本の方もいました。

 

次は同じくイタリアの、パリエーリについてご紹介します。 

 

公式サイト:

Angela Ciampagna