とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

Abel(discovery set)

ニッチなフレグランスばかりを扱っている、新宿のNOSE SHOPでAbel(アベル)のディスカバリーセットを購入しました。アベルの香水全5種類のサンプルが入っています。各香りの説明が書かれた紙も入っています。

アベルは100%天然香料でできた香水を作っているオランダのメゾンです。日本で取り扱っているのは2018年2月時点でNOSE SHOPだけとのこと。全5種類をご紹介します。

 

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white vetyver

クリーミーなライムとスペアミントでスタートします。その背後に非常にライトなベチバーがいる感じです。ミドルはジンジャーとパルマローザとのことですが、大きく変化するというよりは、どちらかと言うとトップの印象が変わらないまま続きます。ラストはほんのりカラメル色。香り立ちが全体的に淡く、持続力も無いためスッと消えていき、ラストノートはかなり弱くなるため、バニラは入っていると言われなければ気づかないぐらいです。一番最初にサンプルを使い切りました。

 

golden nerori

ジューシーなネロリで幕を開け、そこに抹茶が丸みを与えています。ミドルはプチグレンとイランイラン。ネロリとイランイランの組み合わせによるのか、アベルの他の香水には無い華やかさがあります。香り立ちも一番濃いです(と言っても、アベルの香水は全体的にとても淡いので、あくまでそれと比較して、です)。他の香水がほわほわと香るのに対し、視界良好でクリアな感があります。ベースはシダーウッドとサンダルウッドですが、重厚感が出ることはなくほんのりと材木系のウッディが香ります。

 

red santal

クローブとペッパーでスパイシーに始まります。ミドルはベルガモット、ジンジャー、タイム。柑橘系がミドルに来るのは面白いなと感じました。ベースとなっているサンダルウッドはトップから香り、終始材木系の香りに包まれます。

 

cobalt amber

トップはピンクペッパーとカルダモンで温かみのあるスパイシーさ。ジュニパーベリーも使われています。ミドルはカカオとトンカビーンで、このカカオがなんと言っても特徴的でほんわかと香り、本当にほっとするのです。甘さは無いためチョコレートのような印象にはならず、グルマンには転びません。名前の通り、アンバーが通奏低音として流れています。

 

grey labdanum 

トップは包容力のあるビターオレンジから始まり、ピンクペッパーが楽しさを添えています。ミドルではパチュリやダークなインセンス、サンダルウッドによる落ち着きがあります。パチュリの土っぽさが去った後、ラストのラブダナム、オリバナムの香りへ。アンバーグリスも使われているようです。

 

全体として、ほっこりしていて、ほっとできる香りばかりだと感じました。いずれもシンプルなように見えて、ひと捻り効いている面白さもあります。

非常に肌馴染みが良く、ムエットでは癖が強くて苦手だと感じたものも、実際につけてみると嘘のように肌に寄り添った香りになります。ムエットで感じた癖(私の場合、ベチバー、アンバー、ラブダナムでした)は前面に出るのではなく、むしろ奥の方で香りに深みを与えているように感じました。

香り立ちは大変淡く、たくさんプッシュしてもあまり広がりません。また、物にも寄りますが持続力も弱く、スッと消えていきます。そこが好き好きかと思いますが(私は好きです)、ほっこりする肌馴染みの良い香りをお探しの方は一度試されてみてはいかがでしょうか。どれも良い香りですので、ディスカバリーセットは本当にお勧めです。