ロールオンアトマイザー
前回、ディプティックのオレーヌの記事を書いた後、Twitterで「オレーヌは香り立ちが強い(特にトップ)ため使いこなせていない」と呟いたところ、フォロワーさんからロールオンアトマイザーをお勧めされました。
アトマイザーとは、香水を小分けにして外出先などへも持ち運べるようにしたもの。霧吹き型のものは無印などで売ってます。
ロールオンアトマイザーは、普通の霧吹き型のアトマイザーとは異なり、上の部分がコロコロ回るようになっていて液体を少量ずつ出せるようになっています。原理的にはボールペンの大きいバージョンと考えていただければいいかも(痛くないです)。
買ってみたのはこれです。ヤマダアトマイザー。↓
使い始めのためか、液体が出てくるまで若干時間がかかってますが、これは良い。面ではなく点でつけることができます。少量ずつ出せるので、香りすぎない。逆に、たくさんつけたい時は多めに塗れば良い。量の調節が簡単なのです。とても良い買い物ができました。
なのこさん、本当にありがとうございました…!
香り立ちにインパクトがあって使いづらいものはこれからも使っていきたいと思います!
沼
すでに色々書いてますが、私は香水の沼にズブズブハマっています。
香水の何が面白いって、単に「良い匂い」ということだけではなく、ストーリーがあることなんです。それぞれに物語があり、トップ、ミドル、ラスト、ドライダウンと移っていくその様が美しいのです。ちなみに、この変化はそれぞれの素材の揮発の速さで決まります。だいたいシトラスはトップに、ウッディなテイストはラストに持って来られることが多いです。
私は雨宮まみさんというライターの方が好きで、沼にハマり始めたのも雨宮さんのブログがきっかけでした。その中で、ペンハリガンのホリデーコレクションが紹介されていたのです。
ブログ・Amazonで何が買えますか?
http://mamiamamiyashopping.hatenadiary.jp/entry/2013/11/25/031153
ペンハリガンのホリデーコレクションは、それぞれ5mlのお試しサイズが(この時は)5個入っていました。この時はフレグランスコーナーに行くのはハードルが高く感じ、ネットで買いました。
そこで「香水ってこんなに面白いものなんだ!」と気づきました。ストーリーを基に香りが変化していく。好きなものも苦手なものもある。自分のイメージに合った香水は何だろう?
そして初めてフレグランスコーナーへと足を運びました。そこは想像していたよりもずっと煌びやかな世界。香水って、ボトルも美しいんですよね。鼻だけでなく、目でも楽しめる。
それでびくつきながらも、いいなと思ったものを買っていった…という感じです。
香水は買うのにも時間がかかります。ムエット(紙)に吹き付けてもらった香りと、実際に肌に乗せた時の香りは違います。そして香りの変化を見るのに最低でも30分(ラストまで見たかったら数時間)かかります。即断即決をしない限り、再度お店に足を運ばなければならないのです。(日を改めて行ってもいいですが、間にショッピングをしながら香りの変化を見て、またお店に戻ってくるのでもいいです)
私がよく行く店舗では、店員さんが「早まるな、必ずミドルまでの変化を見ろ。ここは香水エリアで色々な匂いが漂っているから、ショッピングしたり喫茶店に行くなどして別の場所で様子を見ろ」という内容のことを(もちろん丁寧な言い方で)言ってくれたりします。即断即決による目先の売り上げよりも、客との長いお付き合い、信頼関係を築こうとしている。そこに私はプロ意識を感じます。
恥ずかしながら失敗も色々ありました。その場で即決したものの、実はミドルからラストが好きじゃなかったとか…(一部のお店では上手いもので、時間がない客のためになのか、時間が経った香りをムエットで嗅げるようになったりしています。しかし当然ながら、自分の肌の上で様子を見るのが一番です。体温によって香り立ちが全然違ってくるので)。近くにお店がないことを理由に、テスティングもしないで香料とクチコミだけを見てネットで買ってしまったり。お店で肌の上で試して、ラストまで嗅いだはずなのに、実際買ってきて家で嗅ぐと違うなと思ったり。
しかし、そうする中で、自分にとっての「失敗しないパターン」も見つけることができました。肌の上で試す、というのももちろんですが、気になる香りだけでなく、色々他のものも嗅がせてもらうこと。お目当のものより、意外と他の香りの方が好きだったりします。そして、試してみて「うーんこれは苦手だな」と思ったものや、これまでに「実際に買って失敗したな」と思ったことから、「自分の苦手なテイスト」をわかっておく。私で言えば、ローズ、ウッディ(ラストにソフトに入っているのは割と大丈夫ですが、ウッディが前面に出されたものは難しいです)、パウダリー、瓜系、アクア系、マリン系。ローズはレディースのフレグランスにかなりの割合で入っているので、残りはかなり絞られてきます。
あとは逆に、「好きなもの」を把握しておくこと。私はスッキリした香りが好きなことが多いです。とはいえ、これも例外があって、パルファンサトリのイリスオムはわりとアーシーで包容力がある感じですが大好きです。
色々なものを嗅いでみて、好きなもの、苦手なものをわかりつつ、食わず嫌いを避けつつ。それがお気に入りの香水に出会うコツのような気がします。
イリスオム(パルファン サトリ)
日本のフレグランスメゾン、パルファン サトリ。
イリスオムは男性向けのイリスの香水として作られましたが、シェアフレグランスという形になっており、女性がつけてもいいみたいです。実際、購入しているのは男女半々とのこと。
香り方がパーソナルで強く香り過ぎず、周囲への自己主張というよりは「自分が心地良くいられるように」…というものがパルファン サトリには多い気がします。
http://parfum-satori.com/jp/collection/irishomme.html
トップ:レモン、カルダモン、オレンジフラワー
ミドル:イリス、バイオレット、ジャスミン
ラスト:アンバー、サンダルウッド、ライトムスク
最初はシトラスから始まります。カルダモンが入っているためか、意外とスパイシー。それがわりとすぐにイリス(ニオイアヤメ)の香りに変わります。この独特の香りが癖になります。それから最後まで、イリスはずっと優しく香り続けます。
フルールドバンブー(イルプロフーモ)
ムエットでの試香です。
イタリアのブランド。お店での一番人気がこの香水だと教えていただきました。
http://www.ilprofvmo.com/japan/fleur-de-bambu.html
ホームページ曰く
トップ:リカリカの花(何でしょう?)
ハート:竹の花
ベース:オカメヅタ
とのことです。
一言で言えば、石鹸っぽいです。それもそんじょそこらの石鹸ではなく、ものすごく、ものすごーーく上等なもの。
リラックスする時につけるイメージです。くつろげそう。お風呂上がりにつけるといいかなあなんて思いました。
マントフレッシュ(ヒーリー)
ムエットのみの試香です。
ミントの香りの香水。なんでも、ルームフレグランスなどではない、肌に乗せるタイプのミントの香りを作るのには10年の歳月を要したとか。
HEELYは2006年に創業した、イギリスのブランド。
http://www.jamesheeley.com/en/eau-de-parfum/21-menthe-fraiche.html
ミドル:グリーンティー、フリージア
ラスト:ホワイトシダー
爽快なミントの香り。結構時間が経ってもミントが香り続けます(※ムエットなので肌に乗せるとどうかはわかりません)。ユニセックス。HEELYの代表作だそうです。
HEELYの香水には「イメージする人物像」があるらしく、これの場合
男性:清潔感がありかっこいい人。「American Psycho」という映画の中のPatrick Bateman。
女性:白い歯にリップグロス。若くてセクシーなファッションモデル
だそうです。
…すみません、私からは程遠いです。。。
でもわかる気がします。白い歯を見せて笑う、快活な女性に似合うイメージです。しっとり系ではないかも。
50mlと100mlの2種類あるようです。
三越伊勢丹のサイトでは売り切れになっていますが、関西だと梅田のルクアイーレ8階に置いてありました。試しに行かれる際は、在庫を確認してもいいかもしれません。
オーデサンス(ディプティック)
オードトワレのサンプル使用です。
オレンジブロッサム、ビターオレンジ、パチュリの柔らかい香りの後に、ウッディでスパイシーな香りに変化する、移り変わりが面白いフレグランスです。
トップノートの第一印象はどこかで嗅いだことのある…親しみ深い…そうだ入浴剤だ!(ピコーン)(入浴剤をdisっている訳ではありません)(褒めてます)
オレンジブロッサムの柔らかいお花の香りと、ビターオレンジのジューシーさがやってきます。
日本人は柑橘系の香りが好きだそうで(実際私も好きですが)、みかん・ゆず・すだちなど、柑橘系の中でも色々嗅ぎ分けられるのだと聞きました。他の国ではどうなのでしょうね?確かに、例えば花の香りを嗅ぎ分けられるかと言われると、私もうーん…ジャスミンぐらいならわかるかなあ…というところです。
そういうこともあってか、トップノートはどこか親しみ深さを感じます。
そして気持ちの良いウッディがやってきます。前の記事に書いたとおり、私はウッディ系が苦手なところがあるのですが、これは大丈夫。この部分もどこか親しみやすいです。
フランスからやってきた、何故か親しみ深い香水。ビターオレンジのジューシーさ、オレンジブロッサムのふんわりとした柔らかさ、ウッディの気持ち良さ、そしてそれらの変化の面白さがありながらも、どこか懐かしい、親しみやすい香りだと思います。