とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

LA DOUCEUR DE SIAM(Parfums Dusita)

Parfums Dusitaはタイ人調香師Pissara 'Ploi' Umavijaniをオーナーとするブランドです。Dusitaとは楽園ーただの楽園ではなく、心の中で幸せを感じている時の楽園ーを意味します。ピサラさんの亡くなられたお父様Montri Umavijaniは詩人で、Dusitaの香水はお父様の詩に敬意を表して作られています。

「私達は模倣できない素晴らしいフレグランスを作ろうとしています。真に趣向を凝らした香水を。シャムのエレガンスで彩られた、伝統的なフランスの洗練を。」

(ピサラさんご自身が、ヴィンテージ香水コレクターなのだそうです。)

Dusitaでは伝統的なフランスのパフューマリーに、シャムの儀式で使われてきた香料(ジャスミン、セージ、ローズ、蜜蝋、サンダルウッドなど)を使用しています。

 

今回ご紹介するのは「シャムの優しさ」と題されたEDPです。200年前のタイ人女性をイメージして作られた香水です。

トップから主に香るのはローズドメで、そこにフランジパニ、チャンパカなどの南国の花が加わります。カーネーション、イランイラン、バイオレットリーフもトップノートに使われています。

ミドルではシナモンと、タイのチャルードの樹皮(昔のシャムで使われていた、ウッディでバニラのような香りがするものなのだそうです)が使われ、なんとも言えない滑らかな甘やかさが加わります。

ベースノートはバニラ、マイソール産サンダルウッド、アンバー、アンバーグリスです。最後にサンダルウッドが低音で響いているのが心地よく感じられます。

 

大変美しい香りで、異国情緒も感じますが、南国ムードに強く傾きすぎることはなく、洗練されたヨーロッパのイメージと、タイトルどおりの「シャムの優しさ」が融合した、まさにブランドの哲学が形になったような香水だと思います。

Dusitaの香水は何種類か試しましたが、かなり個性的なものも多く、その中でもこれは使いやすいように感じました。