ミュール エ ムスク エクストリーム(ラルチザン パフューム)
1978年、ラルチザンパフュームはミュールエムスク(EDT)を発表。その後1993年に、ミュールエムスク エクストリーム(EDP)が発表されました。
同じ名前はついていても、単に濃度が違うだけではなく、香料がかなり異なり、また調香師も違っています。
EDT:
フレグランスファミリー / フレッシュ (フレッシュ フルーティ ムスキー)
ヘッドノート / レモン、オレンジ、バジル、ラベンダー
ベースノート / ムスク、パチュリ、オークモス
調香師 / ジャン・ラポルト
EDP:
フレグランスファミリー / フレッシュ (フルーティー ムスキー)
ヘッドノート / ベルガモット、カシスのつぼみ、プチグレン
ハートノート / ブラックベリー、レッドベリー、オレンジブロッサム
ベースノート / ムスク、パチュリ、オークモス
調香師 / カリーヌ・ドゥブルイユ
EDTの所感については過去記事にまとめています。
ミュール エ ムスク(ラルチザン パフューム) - とある愛香家の日記
あくまで比較論ですが、EDTの方がさっぱりしていて石鹸のような淡い香りがし、親しみやすい印象です。
一方エクストリームの方はトップからギュッとジューシーなベリーが香り立ち、いきなりセンシュアリティ全開。お子様はご遠慮ください、と言われているような気分。トップも柑橘系のイメージはなく、ベルガモットやプチグレンは全て主役のベリーを引き立てる役に徹しています。その下から徐々に出てくるムスク。しかしこのムスクからは石鹸っぽさは感じず、またベリーに打ち勝つこともありません。
妖艶なだけの香水かと思いきや、意外や意外、どこか固さのある香りが出て来ます。これはパチュリとオークモスの仕業でしょうか。芯が一本通っていて香りに骨があり、それがこの香水を単なるセクシー系では終わらせていないように思います。その骨とベリーを、ムスクがむわっと包み、まとめています。…が、ムスクはあくまで脇役、果汁が滴り落ちそうなくらいジューシーなベリーが主役であることに変わりはありません。
軽く親しみやすいEDTに対して、エクストリームは猛烈な艶があり「大人」を感じさせ、どこか芸術品を思わせるところがあります。服装としては、モードなファッションをされる方に似合いそうです。
成人指定のこの香り、大人の色香にご用心!