とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

アビルージュ EDT(ゲラン)

1965年発表。

世界初の男性向けオリエンタルフレグランス。4代目調香師、ジャン・ポール・ゲランは乗馬が好きだったといいます。アビルージュとは騎手が纏う赤いジャケットを意味するそうです。馬術の優美さに捧げられた香り。

 

まずギュッとシトラスが弾けます。ビターオレンジと、ライム、そしてゲルリナーデの香料のひとつ、ベルガモット。背後にごくわずかなバニラの気配。それがこのトップを「単なる柑橘系」に終わらせていないように思います。

 

そこからバジルとパチュリのハーバルな香りへと移り、その下から徐々に出てくるのはレザー。しかしワイルドに前に出すぎることはありません。クリーミィな、甘さのない滑らかなバニラがレザーをくるんでおり、非常に上品です。ベースノートにはベンゾインも使われているとのこと、全体として深みがあるラストとなっています。

香り立ちも穏やかで、ふんわりと香ります。

 

「洗練された教養を兼ね備えつつ、すべてに挑戦するダンディな男性」に向けた香りとのことですが、女性の愛用者も多いと聞きます。

 

ちなみに、私はゲランの「角瓶」が好きです。ゲランオム、ランスタンドゲランプールオム、ベチバー、アビルージュ、エリタージュと、メンズライン5つに使われているボトルの形。幾何学的なフォルムが堪りません。

キャップは木製とのこと、ますます惚れ惚れしちゃいます。


(公式サイトのアビルージュのページ。ボトルの写真も載ってます):