ローセルジュルタンス(セルジュ・ルタンス)
ドボーン(沼に落ちた音)
ルタンス先生…!
セルジュ・ルタンスと言えば、独自の世界観を持つことで知られるブランド。
公式ホームページを見ていただければわかるとおり、かなり独特のヴィジュアルです。
厳しい直線、影を感じさせる色。特徴的なのは黒色だと思います。
セルジュ・ルタンスはクリスチャン・ディオールや資生堂で様々な仕事をした人物。フランスの人間国宝(※フランス共和国文化芸術勲章コマンドゥール受章)とも聞きました。
ネットで画像検索していただくと、生気を全く感じさせない白い肌のモデルたちの写真が出てくると思います。
あまり柔らかさや優しさは感じません(笑)
私は「ちょっと怖いかも…」と、近寄りがたい雰囲気を感じていました。
しかし、私のtwitterのフォロワーさんたちにはルタンスのファンが多く、何か魅力があるのだろう、と気になってはいました。アットコスメを見ると賛否両論。ネットを色々見ていると「ルタンスはみんな影のある香り」「濃厚な香り」等々、様々なことが書かれていました。
…気になる。
気が付けば足がルクアイーレ8階(伊勢丹)のフレグランス売り場へと向いていました。
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前置きが長くなりました。
セルジュ・ルタンスの水
それは、「清潔」なイメージ。「清潔」さとはラグジュアリーの原点。
フレグランス本来の意味。
まるでおろしたての白いワイシャツを着るような、喜びと気持ち良さが実感できる香り。
フレッシュ感が持続する、それでいてエレガントな香り。
今までのラインとは異なる観念で作られた新しい価値観の香り。
(公式ホームページより)
「ロー」(フランス語で「水」)と名の付く香水は色々あります。
ディプティックの「ロー」(これとはまた別の、「ロンブルダンロー」もありますね)や、ラルチザンのロードラルチザン。そしてこの、ローセルジュルタンス。
「水」と銘打つからには、何か作り手の特別な想いが込められているのだろう、と推測します。
公式ホームページでは香料は明かされていませんが、お店にあった説明を読んだところ、マグノリアやクラリセージが使われているとのこと。調べたところでは、合成香料のアルデハイドやオゾンノートが使われているようです。
こちらのサイト↓によれば、
オゾンノートとは「独特のツンとしたガスのような香りが特徴。空気のようなライトさと透明感で人気」とのこと。
その時々で感じ方は変わるのですが、涼感を強く感じる時に私が思い起こすのは、猛暑の夏にガンガンに冷房が効いた室内に入った時に感じる、あの空気感。
これがオゾンノートなのでしょうか。鼻梁から喉の奥まで、スーッとした空気が入っていきます。
…なんというか、かなりの清涼感です(※時により、あまり感じないこともあります)。
フレッシュはフレッシュなのですが、冷たい、無機質なイメージもあります。
うーん。ヴィジュアルで見るイメージのとおり、厳しい香りなのだろうか。
最初は少しびくびくしました。
それがつけていると、次第に清涼感がフェードアウトしていき、丸みがでてくるのです。温もりすら感じます。
ムエットだと、冷たい香りのままなのに。
フレグランスをつけていて、自分に体温があることを実感したのは、初めてでした。
全体として静かな作品だと思います。トップも、マグノリアの柔らかさが入っているため、金属のような香りではありません(この柔らかさはトップが終わっても持続します)。
外側に強く主張するというよりは、(清涼感含め)肌の上を沿うように香っていく。そんな香りだと感じました。
…ところで、梅田のルクアイーレ8階のメンズフレグランス売り場はとても良いです。メンズのみならずユニセックスも(場合によってはウィメンズ寄りと思われるものも)置いてあります。
何よりも良いのは、人が少なめで、高級感溢れる店内でゆっくりと香水を見られること。
他の百貨店のフレグランスコーナーだと女性客が中心で、ひっきりなしにお客さんが来ていて(私含めですが)、様々な香水の匂いで充満していますが、こちらはそれに比べるとフラットな環境で香りを見られるように思います。
セルジュ・ルタンス、ヒーリーやイルプロフォーモなどのレアなフレグランスを見られるのも魅力です。