とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

目次(Index)

この度は拙ブログにようこそお越しくださいました。Helenと申します。

このブログでは主に香水レビューを書いております。記事はメゾンごとにカテゴリーを分けており、不格好ではありますが、この記事を目次として使っていただければと思います。
今後とも宜しくお願いいたします。

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【本題】フルボトルを買う香水をどうやって決めているのか

あなた…『覚悟して来てる人』………ですよね。

 

はい、ジョジョは第5部が一番好きです。中村悠一演じるブチャラティはアツいですね。(この記事冒頭はジョルノの言葉)

 

「ボトルを使い切る覚悟」まではなくても、「そもそもサンプルや小分けが手に入らないからボトルを買うしかない」、「サンプル、小分けを手に入れたけど、それだと量が足りない」、「そもそもサンプルとか小分けを単品で買うのが(割高だから、送料がかかるから、そんな売り方に違和感を覚えるなどで)イヤ」などの理由で人はフルボトルを手にします。

 

基本的に、推奨される香水購入の流れってこんな感じですよね。

「香水売り場に行って、気になる香水をムエットを嗅いで絞っていき、最終的に2本ぐらい選んで両方の手首に片方ずつプッシュしてもらい、(もちろん1本を片手にプッシュしてもらうだけでもOK)、一旦その場を離れ、肌に乗せた際のトップからラストノート(時間がない場合はミドルまで)の変化を見てから、気に入ったら購入する」

「可能であれば一旦家に帰って何時間も経った後の香りを確かめ、それでも好きなら購入する」

近年では、国内の売り場にある香水の大部分はオンラインでの購入も可能ですので、頻繁に繁華街に行けない方でもゆっくり検討することはできます。香水には高額のものが多いので、送料が無料になることが多いですしね。

 

しかし、私は己の手首を信用していません。以前は、手首にプッシュしていただいてから喫茶店などでコーヒーを飲み、30分は様子を見て、それでも好きだと感じたら売り場に戻るようにしていました。

ところがどっこい、この手法で私は数多の失敗を重ね、「私には使いこなせない…ごめんね」と言っては何本も手放してきました。

まず、

①外だと拡散性の強さを判断しづらい。私自身は拡散性の低いものを求めているため、いざ購入してみてバシャーッと香りが広がるタイプの香水だった場合、それだけで萎えてしまう

②繊細な香りは、外を歩いていると詳細が捉えづらい。喫茶店でじっくり座っているならまだしも、他のお店を見るなど動き回っていると注意が逸れてしまい、結果的によくわからないまま気がついたら香りが消えてる

③基本的にウエストや内腿など、下半身に香水をつけるため、手首での香り方を見てもあまり参考にならない(本当は売り場に更衣室を設けて、服の下にプッシュさせて欲しい)。下半身につけた時の香りの広がり方が見られない

④香水売り場に行っている時は基本ハイな気分なので、たとえ30分置いたとしても、家に一度帰っても、勢いで買ってしまう

 

④は私の性格的問題ですね。

 

あと、個人的に「香水をメインに売っていない、洋服メインのセレクトショップ」が苦手だったりと、「お店の雰囲気に良くも悪くも呑まれてしまう」のも、冷静な判断ができない一因です。

何故かニッチフレグランスのブランドで(しかも割と高いやつ)、高級セレクトショップでしか取り扱われていないものが複数あります。

おかげさまで(?)セレクトショップで嗅いだ香りのほとんどは(小分けで試したもの以外)全く記憶に残っておりません。私は基本的にお洒落ではない人間なので、高そうな服がズラリと並んだお洒落な雰囲気に呑まれるんです。そして服には詳しいのかもしれないけど香水には詳しくない店員さん。いや別に知識はなくてもいいけど愛が欲しいの。「説明していただけますか」と聞いたら「商品の前に置いてある紙の説明を読んでください」じゃ嫌なの。

 

結論:買わなきゃ結局のところ香りはわからない

 

※浪費家による散財の正当化

 

ちなみに、小分けやサンプルも(程度はモノによりけりですが)フルボトルとは香りが異なります。フルボトルとはスプレィが異なるからです。一回あたりの噴霧量、霧の細かさ、霧の広がり方。

ざっくりとした体感ですが、霧が細かくて、ふわっと広めに広がる方がふんわりと香ります。逆に、霧と言うより液体そのものがビューッと直線的に飛んで、狭い範囲につく場合はもっと硬く、時によっては直線的な香り方をします。

要するに、小分けよりもフルボトルの方が圧倒的に美しい香り方をするものは多いです。

 

前書きが長くなりましたが、私が今年購入した香水はだいたい以下の3パターンに分かれます。

 

1.小分けやサンプルで実際に試したものを、(多くの場合かなり時間を置いて)購入する場合

 

今年はこれが本当に多かったです。一時期、Twitterを経由して沢山のフォロワーさんと小分けの交換をさせていただきました。その時は「良い香りだけど私にはまだ早いわ…」と思っても、何年か経った時にふと思い出し、今だったらあの香りがつけられるかもしれない、と思い始める。小分けの量だけではわからなかった良さが、フルボトルなら更にわかるかもしれないと妄想が走り出す。

 

なお、その頃は匿名配送をよく利用していました。配送料は一律1500円と高めですが、その代わりかなり大きなものまで送れるため、小分け以外のものを詰めることもありました。

メルアド宅配便

https://www.mailaddbin.com/sp/

久しぶりに見たらサービス終了のお知らせ!!ショック!!

 

ちなみに、最近は小分け専門販売店から「お金を出して小分けを購入する」ことはなくなりました。割高で、だからこそケチって少量しか頼まず、結局良さがわからない…ということが多々あるからです。なお、自分にとってNGなものはどんなに少量でもわかるため、そういう危険回避の意味では役に立ちます。

 

あとは、サンプルを使っていて、これがもっと大容量で手元にあったら頼もしいなあと思って買ったものもあります。

実は本国サイトからだと、サンプルだけを格安で買える場合もあります。そんなに英語力は要らなくて、Paypalに登録しておけば大概のことは解決します。中には、次回フルボトルを買ってくれたら値引きするよ〜とクーポンコードを添えてくれるところまであったりします。トラブルが起こった時は…周囲で英語ができる人に頼みましょう(笑)

 

2.何度も売り場を訪れては何度も試し、その場では「何か違うな⁇」と思っても、結局気になり続け、試し続けてしまうパターンのものを思い切って買う場合

 

これも1.に似ています。一回嗅いだだけでは「自分には合わない」と思うのに、何度も何度もその香水のことを考えて、また売り場に足を運んでしまう。

今年はコロナで、春から初夏にかけて百貨店はどこも閉店。買うなら今なのでは、とポチーーーーー。

だってボトルは買わなきゃわからないのだもの。(言い訳)

 

3.ブラインドバイ(その香りを全く嗅いだことのない状態で、文字や画像の情報だけを頼りに買う。一種の博打)

 

これはがつく博打です。

既に100万回ぐらい失敗してるんだけど未だにやる。いやほら外出自粛とかあったから(言い訳

 

とはいえ失敗しまくれば学ぶところはあるもので、「大失敗!!」は今年はありません。

 

・苦手な香り、香料を把握する

→これは最重要課題。別に「シスタスラブダナムが〜」とか「シベットが〜」とか「オークモスが〜」、イメージしづらい香料のことは気にしなくていいです。そこまで把握できてたら最強ですが。実際の香料単体の匂いはよく分からなくても、沢山の香水を試していくと帰納法的に「あれ、私、この香料がクレジットされている香水苦手かも」というのが出てきます。

とりあえず、私にとってのNGは「甘い」。お花の蜜のような甘さは大丈夫ですが、ダメなのがバニラ系。とりあえず、明かされている香料にバニラと書いてあったら警戒態勢に入る。グルマンに分類されていたらもうダメ。

あと調香によるのがマグノリア。青リンゴのようなサッパリめの香水もあれば、ムワァと来るものもあります。これは試してから買わないとダメアラート。

Sultry(ムンムンする)と書いてあったらとりあえずブラインドでは買わない。私はSultryな香りはどちらかと言えば苦手なのです。そんなこんなでチュベローズも要注意。

あと注意するのが八角(アニス)。台湾あたりのご飯の匂いを想起してしまいます。もはや香水として楽しめなくなるので避けます。

 

ご飯を食べる時と一緒です。どんなに美味しく作られた料理でも、苦手な食材が入っていると途端に食べづらく感じてしまう。身体が警戒態勢に入るからです。それと同じ。どんなに美味しく作られた青椒肉絲を前にしても、ピーマン嫌いの人は少し箸をつけるのを躊躇する、あの感覚です。

 

勿論、実際に嗅いでみたら「苦手な香料が入っていても、それが隠し味やアクセントになっていたり、香り全体としてしか感じられなくて全然気にならなかった」ということはあります。調香の妙ですね。

しかし、ブラインドバイではそれは避けた方が賢明です。

 

例えば、私はかつてパクチーが苦手でしたが、台湾で美味しさに開眼し、中華料理やメキシコ料理との相性も抜群、今ではOKな食材となりました。だからといって、美味しさを理解しないうちにパクチー特盛りベトナムフォーをウーバーイーツで注文しなくていいよねって話です。

 

・好きな香料を把握して、それがメインに組み立てられた香水を探す

→私はシダーウッドが好きなので、シダーウッドメインの香水を探したりもしました。

サンダルウッドは嫌いではないけど、気分を選びます(私は)。

ちょっと難しいのは薔薇でしょうか。薔薇香水は可愛い系、ナチュラル系、キリッとしてる系、スパイシー系と振り幅が大きすぎるので事前リサーチが欠かせません。

 

その他、これまでの経験則上、好きな可能性の高い合成香料は:

ISO E Super(ちょっとシダーウッドっぽいらしい),AMBROXAN(人工アンバー),CASHMERAN(カシミヤのような人工ムスク)

 

・好きな調香師かで判断

色々と香水を試しているうちに、それを作った人=調香師にも目が向くと思います。

日本語で情報を漁るのもいいですが、英語版香水クチコミサイトfragranticaでは高確率で調香師の名前が載っています。

例えば、大人気ルラボのガイアック10。

https://www.fragrantica.com/perfume/Le-Labo/Gaiac-10-Tokyo-6335.html

The nose behind this fragrance is...の後に来ている人名が調香師の名前です。

そりゃまあ、調香師だって振り幅があります。自身でブランドを持っている場合もありますが、どこかのブランドに依頼されて香りを作る人の方が多いのですから。スッキリ薄口で透明感のある香りを作るのが大得意なオリヴィア・ジャコベッティだって、自分自身のブランドではやりたい放題やっている印象でした。ジャーマンズパーティーとか一体何のパーティーなのか、焦げまくってたもん。

 

とはいえ、その調香師には特有のクセみたいなものがあることも多いので、なんとなく自分との相性みたいなものが見えてきます。「この人の物だったら試してみたい」みたいな気持ちになるかも…そうなると、好きな小説家・漫画家の新作を待ちわびる読者の心境みたいな感じで、たとえ100%自分の好みでなくても「ああ、まあ前作の方が好きだったけど、今回も読んだ価値はあったなあ」と思えます。

 

・ネットでクチコミを漁る(玉石混交)

ハイ。これは玉石混交です。特に記事みたいなものには要注意。当たり前ですが、ライターは読者の購買意欲を掻き立てるために書いています。

アットコスメも、まあまあ参照します。最近元気がないのが辛い。

fragranticaも読みますが、正直香りに関する文化圏、バックグラウンドの異なる外国の方の意見は同じ日本人ほどには参考になりません。

一番私が頼りにしているのは、Twitterの香水沼の方々の感想だったりします。沼の中に長いこといると自然と長い付き合いになってくるため、「この人はこういう香りが好きなんだなあ」などと頭に入れた上で感想を聞けます。そこから出てくるのは嘘偽りの無い言葉。

 

・もしオンラインショップを持つ個人店の店主の方が素晴らしいお目利きさんなら、その方にまず相談する

 

京都のルシヤージュさんはメールでも相談に乗ってくださり、ご自身の扱っていない他のブランドのこともお詳しいので、それを引き合いに出しながら相談することもできます。店主の方は人の好みを見抜く天才です。

 

…という訳で、2020年最新の私の香水お買い物方針でした。いかがだったでしょうか。

 

「買う」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!

 

みなさまも素敵や香水ライフを❤️

【用語解説という名の前置き】フルボトルを買う香水をどうやって決めているか

今年は、信じられないほどの本数のボトルをお迎えしました。中にはミニボトルやトラベルサイズと呼ばれる、4ml,7.5ml,10ml,15mlのものもあります…が、いずれにせよ数は多いです。

主な理由としては「コロナ禍により、外出自粛は最初のうちはこたえなかったものの(※元々ひきこもりなのと、リングフィットやフィットボクシングなどのゲームに忙しかったので)、家事が増え、家族とのすれ違いが増え、社会に蔓延する不安や人々の政府に対する怒り、お互いへの不信感、あらためて露わになる日本の相互監視社会っぷりに精神がやられて何本か爆買いした」のが発端ですが、出会いはまた新たな出会いを呼ぶもので、結果的に増え続けています。

しかし、「買って後悔した、自分には合わない、手放したい」と思うものはほとんどありません。

そこで、私が2020年現在、どのようにフルボトルを買う香水を決めているかについてお伝えしようと思います。

 

…と本題に入る前に、「フルボトル」という言葉が耳慣れない方もいらっしゃると思います。

「フルボトルを購入する」とは「香水をボトルで購入する」ことを指します。要するに、こういう形態のものを買うということですね。

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セルジュ・ルタンスの名香、フェミニテ・デュボワの50mlボトル。

 

「は?当たり前じゃない?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、基本的に香水をボトルで購入するということは、それなりのお値段(※ピンキリ)を出して、ある程度の量(※最低でも50ml以上のブランドが多い)を手にすること。

こんな言葉が存在するということは、その他にもっと気軽に試せる形態があるということです。例として、①ムエットや②サンプル、③小分けなどがあります。

 

①ムエット

ムエットは試香紙というもので、香水売り場にはどこにでも置いてあり、「とりあえずその香りがどんなものかざっくり知りたい」という時に紙にシュッとスプレィして嗅ぐものです。例えば、遠方などで店舗に足を運べない方のために、ムエットを郵送で送ってくれるブランドやお店などがあります。

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ムエットの例。これは他のブランドに比べて大きいです。四角いものだけでなく、細長いタイプのものもあります。

ただし、ムエットという紙の上での香りの出方と、肌に乗せた時の香りの出方は異なることも多いです。そこで、実物を少量手に入れ、実際に肌に乗せて試せるのが②サンプルと③小分けになります。

 

②サンプル

サンプルというのは、そのブランド自身が販促のために作るお試しサイズのもので、だいたいフルボトルを購入するとオマケで売り場の人がつけてくれます。ブランドの直営店であればそのブランドのものになりますが、様々なブランドを取り扱う売り場では他のブランドのものをつけてくれることも。フルボトル購入時、他に気になっているものがあればそれを店員さんに伝えてみると、売り場にサンプルがある限り基本的にくれます。

ちなみに、百貨店などのオンラインサイトでフルボトルを買っても100%ついてこないためご注意ください。ノーズショップのオンラインもついてきません。

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小さな箱に入っていたり、冊子のような形をしている場合が多い。

昨今では

ディスカバリーセットという形でサンプルの詰め合わせをブランド自身が売る

・ブランドがサンプルを単品で売る

・輸入代理店が何らかのテーマに基づいたサンプルの詰め合わせを売る

・輸入代理店・小売店がサンプルを単品で売る

など、元々オマケ要素が強かった(逆に言えば、フルボトルを買わないともらえない)サンプルも「売り物」になることが増えてきたと感じます。

 

③小分け

一般的に日本語で「小分け」と呼ばれるものは、ブランド自身ではなく、香水の小売店や小分け専門店が販売のため、もしくは一般の個人が他の人に分けてあげるために、フルボトルから香水の液体をアトマイザーと呼ばれる小さな容器に移したものです。

アトマイザーというのはこういうもの(下の画像参照)で、ガラス製のものも、ポリプロピレンと呼ばれるプラスチックの一種でできたものもあります。他人に配る以外にも、自分自身の香水を持ち運ぶために使えます。

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日本の香水小分け専門店では1mlから購入できるところが多いと思います。

なお、この形態でも海外ではSampleと呼ばれますのでご注意を。海外の大手香水販売サイト(Luckyscentなど)では「0.7mlワンサイズのみ」などもあります。

 

【まとめ】

「フルボトルを購入する」というのは、「ムエットやサンプルや小分けではなく、ある程度の容量がある、香水本来のボトルの形で購入する」ということです。

ちなみに、海外製の香水は一回スプレィした時の噴霧量がおおよそ0.13mL〜0.15mLと言われています。日本製の香水や、アトマイザーはこれよりも少ないようです。となると、50mlのボトルを買うと、だいたい333プッシュは使える計算になります。一度に何プッシュ使うかは人にもよりますし、香水好きの方は(一般的に)TPOによって量を調整しますし、香水によっても適量は異なるため一概には言えませんが、だいたい1~2プッシュで済ませる方が多いのではないでしょうか。となると、毎日同じものを使っても半年から一年かからないと使い切れないことになります。

要するに、香水は「思ったより減らない」と思っていただければいいかと思います。複数本所有していれば使い切るのには更に時間がかかります。

なお、メゾンフレグランスとか、(特に英語で)ニッチフレグランスと呼ばれる部類のものは、ボトル1本が最低50ml、定価1万3千円(税込)以上のものがほとんどで、「ボトルをお迎えする」ということは「それなりに長期的にお付き合いする前提でそれなりのお金を払う」ということになります。

 

つまり…

「覚悟はいいか?オレはできてる」(※ジョジョネタ)

ということです。

海外のクチコミサイトでは、"Definitely worth FB!"(マジでフルボトル買う価値アリ!)や"not worth FB"(フルボトルなんて買わなくていいよ)などという文言を頻繁に目にしますね。

 

To be continued...⇒

 

夏に似合う香水14選(2020年版)

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みなさま、お久しぶりです。

気がつくと去年の2月から記事を書けていませんでした。理由は、端的に言えば分析的な嗅ぎ方ができなくなったからで、「ここではこの香料がメインに感じられて、その次はこれが出てきて」…などと感じることがだいぶ難しくなりました。

しかし香水にハマり続けているのは事実で、細かな香料などのことを気にしながら纏うことはなくなったものの、ぼんやりと大まかなイメージで捉えその表情を楽しみ、自分にとって使いたいベストのシチュエーションを考えたり、体調や季節による香り方の違いを楽しみ同じ一本が見せる様々な表情に驚いたりと、長い目で一本一本と付き合うようになりました。

 

個人的な状況の変化としては、会社勤めを辞め、在宅フリーランスになりました。
そして任天堂のおかげで、自宅でのフィットネスにハマりました。外出自粛の社会状況もそれを後押ししました。
具体的には、任天堂Switchのソフトであるリングフィットアドベンチャー、フィットボクシング、ジャンプロープチャレンジをプレイしています。ほぼ毎日運動し、汗だくになって終わったらすぐシャワー!はー、最高。

 

新型コロナウイルスの流行で社会状況は大きく変化し、テレワークなどで自宅で過ごす人が増えたり、先に挙げたような自宅でできるフィットネスが人気です。

政府による緊急事態宣言は解除されましたが、これを書いているまさに今、第二波が日本を襲っている状況であり、今年の夏はどうなることやら、とニュースを見ながら思うことも多いですが、そんな新しい社会環境の中でも「とりわけこれは夏に似合うのではないか」と思う香水を14本ほどピックアップいたしましたので、読んでいただければ嬉しいです。

細かい香料や香りのコンセプトなどをお知りになりたい場合は、過去に記事を書いたものについてはリンクを貼っておきますので、そちらも併せてご参照ください。
私自身の感じ方は歳月を経て変わっているものも多いですが、香りのコンセプト、インスピレーション源、公開されている香料などに関しては毎回可能な限り公式サイト(海外の本国サイト含む)を読み込んで書いてきましたので、変わりはないと思います。

アフィリエイトはつけていませんので、ブログのアクセス数が増えたところで私には一銭も入りません!アクセス数稼ぎではありませんのでご安心を(?)。


前置きが長くなりましたが、ではスタート!


<NHK>2020応援ソング「パプリカ」ダンス ミュージックビデオ

(2020応援ソング 「パプリカ」の途中に出てくる子供たちの声で。2:50あたり。米津玄師バージョンは8月発売の新アルバムを買ってゲットする予定です!)

(写真左から)

1.アールフレグランス ノーブルオーキッド(春蘭)
グリーンフローラルで上品の極み。なよやか。
個人的には春を待ちわびる頃から、春の初めがベストシーズン。先日使ったら夏でもOKだと判明。

 

2.ザディファレントカンパニー セルドベティベル
ベチバーは根から取られる香料のため、基本的には根っこっぽい、土っぽい、どちらかと言うと重ための香料です。
しかしこれは軽やかなベチバーで、グレープフルーツやシーソルトなどと組み合わさり、熱苦しくない、大変スマートな作品になっています。カッチリしたオンの場面にも似合うので、個人的には自宅で仕事をする時につけたい。セリーヌ・エレナさん渾身のベチバー。

 

3.アムアージュ オーパスV
正直、これをどれだけ使うかは今年の夏がどれだけ猛暑かに寄ります。オマーンの香水でイリスとラムの豪華極まる饗宴。全く爽やかではなく、どっしりしていて厚みがあります。しかしそこは中東向け、暑い中でこそ本領を発揮。
でも実はこれよりリリックウーマンの方が好き(ボソ

 

4.ラルチザンパフューム モンニュメロ9
現在はボトルが変わって、透明なガラスのボトルに黄色の液体が入っています。
メインはレモン、シソ、パチュリで、単なる柑橘系に終わらない、骨のある香りが魅力です。
本国サイトには「コンセプトは日本の温泉から漂う、元気が出てくるような香り。コロンも温泉も、感覚を目覚めさせてくれます。」って書いてあるけどお前温泉入ったことないだろ。

 

あ、フランス人にとってはそうなのかな。お湯が熱すぎるのかな。そもそも温泉は硫黄の匂いでは…ゴニョゴニョ

お風呂っぽい香りをお探しなら、ペンハリガンのサボイスチームを勧めます。あちらはトルコ風呂(蒸し風呂)ですが、ひとっ風呂浴びた後のホワホワした感じが出ていて、かつローズマリーでハーバルなところもあるので夏にオススメです。(持っていません)

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5.ラルチザンパフューム パッサージュダンフェ
旧日本名「地獄通り」。基本的にオールシーズン大丈夫な香りですが、非常にスッキリとしていて、名前とは裏腹に天に昇るような香り。お香がメインですが寺要素はなく、完全に教会っぽいです。

暑い中帰ってきて、シャワーを浴びた後につけたい香りです。
割とプッシュ数は多くてもOK、拡散性も低く、精神鎮静作用はピカイチ。なお、地獄通りはブランドのお店が昔あったフランスの通りの名前です。どんなネーミングだ…

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6.フエギア カルケハ
一度廃番になったものの、おそらく今再販されてます。
トワレより更に軽い、トニコシリーズ。でも持続力はそこそこ。4プッシュがパルファム1プッシュ相当と言われたけど、そこまでプッシュする必要性があるかは気候次第。香りがすぐ飛ぶ真夏ならプッシュ数を多少増やしてもいいかも。お店の人からは12プッシュぐらいを勧められましたが、多分それやったら私は死ぬ。
香りはちょっと形容しがたく、アルゼンチンの植物がメインらしいので日本人としては馴染みのない香り。でも親しみやすいとは思います。苦みが特徴と説明されるけど、私にとっては苦くないし、人によっては甘く変わるみたい。
ぼや~っと切れ味がなくなり上手く香らない時と、綺麗に香る時の差が激しく、そもそもこのブランドの香水は季節の影響を受けやすいのですが、色んな季節に使ってみてください。意外と冬の方が綺麗に香るかも。

 

7.ディプティック オードリエル
ツタの香り。とはいえツタから香料は取れないので、あくまでイメージ。端的に言って軽めのグリーンです。ガルバナム、 シクラメン、 ローズウッドだけどそんなに私はウッディには感じません。光の速さでいなくなる(=香りを全く感じられなくなる)ので、大丈夫かと言いたくなる。一日の中で何度も付け直すのがおそらく正解なのでしょう。でも私だったら、消えた後は気分を変えようと他の香りをつけると思います(笑)

 

8.トゥルドン II(ドゥ)
これはガチで森の匂い。森系の香りには詳しくありませんが、森そのものをテーマにした香り自体それほど多くはない印象で、森と言ってもウッディが強かったり、グリーンが葉っぱの爽やかさであったり、腐植土の匂いを強調していたりと、森のどこかの側面を強調したものが多いように思います。
これは森そのもの、森全体を身体で感じられます。
しかし代理店の都合でブランドの日本撤退が決まっており、現在は在庫の売り切れ次第販売終了という状況になっています。

 

9.パルファンサトリ ミズナラ
個人的ベストシーズンは初夏。ミズナラの林を駆け抜けていく風と、ウィスキーの樽香、オーセンティックバーの木のカウンター…ということで、ウッディだけど軽さもあり、私としては涼風が吹き抜けていくような印象を受けます。

 

10.パルファンサトリ 苔清水
いつが一番いいんだろ。
確か屋久島がイメージ。まさに清流のような香り。でも若干モワッとしたところがあります(=完全にスッキリというよりは丸みがある)。去年の6月にボトルを購入しましたが、その年の夏は南の国で1ヶ月過ごし、暑すぎてほとんど香水をつける気にもならず、結果あまり使わず。今年リベンジします。

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(左下へ)

11.ラルチザン タンブクトゥ
今は100mlのみの取り扱いで、50mlボトルは消えました。そういうのやーめーてーよー!(※ラルチザンではよくある話)

これは頂き物で、何本かミニボトルがセットになったものに入っていたそうです。
西アフリカのマリに伝わる“恋人を虜にする香料”からインスパイアされた香り。アフリカ原産の香料が使われています。雑にくくるとウッディ系だと思いますが、非常に艶のあるエロい香りです。

しかしかなり独創的で、変わり物好きな人には勧めますが、モテ香水としてはお勧めしません。異性ウケを狙うと、相手も変わった香りが好きでない限り、多分「この人って個性的(変わり者)なのかな」と思われます。ご注意を。

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12.武蔵野ワークス 菖蒲の葉

日本の優しい香水を作る、実店舗を持たないブランド。強く香ることがなく、持続力もないとブランド自身は言っていますがモノによっては長ーく香ります。具体的に言うとジャスミンはかなり長く香っていました。
25ml、4ml、モノによっては1mlサイズまで展開。そもそもそんなに量を使わない日本人にとっては天国のようなラインナップ。刮目すべきはその値段、25mlで3800円、4mlで880円。実店舗では試せないけど、オンラインで買って失敗しても、これならお財布が痛くない!!
嫌な香り方をしない、種類が多い、わかりやすいタイトルの香水が多く、「そうそうこれが欲しかった!」という香りがある、そして一見シンプルながら作り込まれているという点で推せます。良心の塊。

と、ブランドについて熱く語ったところで、菖蒲の葉自体はグリーンウッディです。

公開されている香料は、

トップ:レモン、シトロネラ、ユーカリ など。
ミドル:ジンジャー、ローズ、ゼラニウム など。
ボトム:シダーウッド、サンダルウッド、ガイアックウッド など。

カタカナが並んでいますが、不思議と日本の葉っぱの匂いを思わせるから素敵です。

 

13.武蔵野ワークス ヘルシンキ空港

フィンランドヘルシンキ空港をイメージした香水。

これぞ夏に使いたい!!ミント、シトラス、針葉樹林!!

スペアミントは冷涼な北欧の空気の象徴だそうです。ミントの香りが欲しい人にお勧め。
※ちなみにもう一つのミント香水、スノーミントは未体験です。

あ、雰囲気がほんの少しアニック・グタールのニュイエトワーレ(日本語訳:『星降る夜』。廃番)に似ているかもしれない。ミントとシトラスと針葉樹。あちらの方がロマンティック、こちらの方が空港の開放感、スマート・スタイリッシュさを感じますけれど。

 

14.ピュアディスタンス シェイドゥナ

オールシーズン行けますが個人的には夏に推したい!キリッとしたオリエンタルで甘すぎない。オリエンタルというと秋冬のイメージですが、むしろ夏にオススメ。オリエンタルセンシュアリティとフレンチシックの融合がテーマ。
おそらく簡単に形容するとアンバーローズなのですが、煌めきがあります。特にトップがキラキラキラキラッ…と立ち上ってくるのは堪らない愉悦です。ありがとうセシル・ザロキアン!(オリエンタルの女王と呼ばれる調香師。パリの方向に向かって合掌)

多少酸味がありシャープなところがあるのですが、夏は暑さと湿度でそれがマイルドになり、パルファム濃度であることからジワジワと身体から香気が立ち上がり、なおかつ持続力もあります。

 

シェイドゥナはお家エクササイズに最もオススメ!
体温が上がり汗も吹き出る中、煌めき揺らめき立ち昇るようなシェイドゥナの香りはぴったり。
ピュアディスタンスの他の香りに比べてクラシック度が低く、気負わずにカジュアルにつけられるのもポイント。
私の場合、クラシック(古風と言い換えてもいい)で古き良き時代を彷彿とさせるものをつける際は服装も合わせたく、スポブラにドライ素材のトップス、ヨガパンツで運動する時にはあまり使いたくありません。
その点シェイドゥナはエクササイズの時につけても全く問題なし、むしろスタミナが向上して、普段より長く運動を頑張れるような気さえします。
ジムだと香水はつけづらいと思いますので、お家で運動する時にぜひ!!

 

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一般的に夏向けとされるシトラス系の香水は、つけた瞬間はリフレッシュできますが、香料の特性上すぐ飛ぶものが多いと言われていますので、長い時間香水を楽しみたいのであれば、シトラス系トワレなどよりも、他のパルファム濃度のものがオススメです。

 

シトラス系でパルファム濃度のものは少ないです。コロンかトワレがほとんどだと思います。シトラス系でも持続力を持たせようとしたブランドがアトリエ・コロンだったのですが、残念ながら日本から撤退してしまいました。


濃度の薄いコロンやトワレほど拡散性が高い傾向にありますので、ジワジワ来る香りが欲しい場合は濃度が高めのものをお勧めします。
ただ、パルファム濃度(15%以上)であっても、オードパルファム(EDP、本来は10~15%)の名称で売られているものも多いので、その辺りは店員さんに聞いてみてください。

 

みなさまの夏が最高のものになりますように!

Fatih Sultan Mehmed(Fort & Manlé)

Fort & Manléはオーナー調香師Rasei Fortによるメルボルンのブランド。Raseiは独学で調香を学んだトルコ系の人。自身のルーツに基づく作品を多く作っており、Fatih Sultan Mehmedもそのひとつです。Manléはブランド初期の頃スケッチを描いてデザインをしていた人の名前とのこと。

ブランドロゴはトランプのジョーカーのような、宮廷道化師の顔。インタビューの中でRaseiは「私は調香を正統な方法で学んでいないため、香水の世界で王族たちの中にいる宮廷道化師のような気持ちでいます。私はむしろジョーカーに近いのです」と述べています。

Fatih Sultan Mehmedはメフメト2世からインスパイアされた香水で、当時の贅ー王宮の庭や、スルタン達が纏っていた香水、香油ーを捉え、富を象徴し、メフメト2世に敬意を表していると言います。

https://www.fragrantica.com/news/Fort-Manle-Oriental-Perfumes-from-Melbourne-10429.html

 

メフメト2世はオスマン帝国の第7代スルタンで、コンスタンティノープルを陥落し、ビザンツ帝国を滅ぼした人物。30年以上に渡る征服事業から「征服者(Fatih)」と呼ばれました。その一方、イスラーム以外の文化にも理解を示し、宮廷には国際的な空気が流れ、ペルシャやトルコの詩人、アラブやギリシャ天文学者、イタリアの学者や芸術家を抱えていたようです。策士でもあり、70隻以上の船を建造させたのだとか。

 

トップノートはベルガモット、アップル、プチグレン。中でもアップルが主に香ります。とてもジューシーでフルーティー

やがてローズ、チューリップ、イリスのフローラルノートがバニラ、ベンゾイン、アンバーの甘さと共に香ります。メフメト2世は園芸に熱中しており、遠征先でもユリ、チューリップ、スイセン、バラなどの植物を探し宮廷に持ち帰っていたとウィキペディアにあるので、おそらく花々のチョイスはこのようなエピソードによるものでしょう。

アンバーグリスのしょっぱさがボスフォラスの思い出を表現し、ラストはシダー、パチュリ、ウード。…なのですが、これらは控えめ。全体的な印象としては「バニラや樹脂によって絶妙な甘さをプラスされたエキゾチックな林檎」で、アップルのフルーティーさが割と最後まで残ります。

ディスカバリーセットで新作のForty Thieves以外は全て嗅ぎましたが、Fort & Manléの香りは大変独創的で、フルーツとフローラルとウッディの香料が賑やかにわいわいと香る生き生きとした香水ばかりです。中でもFatih Sultan Mehmedはとびきりチャーミング。メフメト2世は実はお茶目だったんだろうか…と思わせるような調香です。

ROSE31(LE LABO)

女性のシンボルとされるグラースの薔薇を男女関係なく纏えるフレグランスに、というのがコンセプト。男性にも、薔薇を。使われているのはセンティフォリアローズだそうです。

 

最初は思いっきりクミンが前に出ます。えっ、カ、カレー⁈⁈と思いきや、割りとすぐにクミンは後ろに下がります。スパイシーでウッディなローズ。甘みはありません。私の肌だとローズはツンツンと酸っぱくシャープに香りがちなのですが、このローズは尖りすぎることなく香ってくれます。瑞々しい生の薔薇というよりはドライフラワーのイメージが近いかもしれません。乳香とスパイスが使われていますが、オリエンタルな印象は受けず、一言で言えば、「お洒落」。アンバー、シダー、ガイアックウッド、さらにシスタス、全てがちょうどよくブレンドされています。やがて体感的にはローズ5割(ただし花だけでなく土も含む)、スパイシー・ウッディ5割の滑らかで穏やかな香りに落ち着きます。

ローズの香りが気になるけど、フェミニティを前面に押し出してくるやつは好きじゃない、もっとかっこいいローズはないのか…?とお探しの方にトライしていただきたい一本です。

EN PASSANT(FREDERIC MALLE)

オリヴィア・ジャコベッティ作。意味は「通りすがりに」。春、女性達がコットンのドレスに身を包み、陽に当たり肌を温めると、田舎にライラックの匂いでいっぱいの優しい風が吹く。

 

White lilac accord, Petit grain, Cucumber, Wheat absolute, White musk, Cedar

 

ライラックの花がメイン。そこにキューカンバーが瑞々しさを、麦がどこか春の日向を思わせる温かさを添えます。軽やかで控えめ。

一見シンプルなこのフローラルは、複雑で豪華絢爛!いかにもラグジュアリィ!な香りではないものの、香料が絶妙なバランスで配合されていて、纏う人の心をそっと掴みに来る、罪作りな香水だと思います(褒めてます)。忘れられないというのもわかる。ネットでクチコミを見ていると、キューカンバーの瓜っぽさが人によっては受け付けないこともあるようなので、肌で試してから購入されるのをお勧めします。私も瓜系は得意ではないのですが、これはキューカンバーが香りに瑞々しさを加えている程度であまり気になりませんでした。

まだ少し肌寒いけど、確実に春が近づいていることを実感できる日にこの香りを纏いたいと思います。