とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

EN PASSANT(FREDERIC MALLE)

オリヴィア・ジャコベッティ作。意味は「通りすがりに」。春、女性達がコットンのドレスに身を包み、陽に当たり肌を温めると、田舎にライラックの匂いでいっぱいの優しい風が吹く。

 

White lilac accord, Petit grain, Cucumber, Wheat absolute, White musk, Cedar

 

ライラックの花がメイン。そこにキューカンバーが瑞々しさを、麦がどこか春の日向を思わせる温かさを添えます。軽やかで控えめ。

一見シンプルなこのフローラルは、複雑で豪華絢爛!いかにもラグジュアリィ!な香りではないものの、香料が絶妙なバランスで配合されていて、纏う人の心をそっと掴みに来る、罪作りな香水だと思います(褒めてます)。忘れられないというのもわかる。ネットでクチコミを見ていると、キューカンバーの瓜っぽさが人によっては受け付けないこともあるようなので、肌で試してから購入されるのをお勧めします。私も瓜系は得意ではないのですが、これはキューカンバーが香りに瑞々しさを加えている程度であまり気になりませんでした。

まだ少し肌寒いけど、確実に春が近づいていることを実感できる日にこの香りを纏いたいと思います。