とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

FLEUR DE PEAU(Diptyque)

ディプティックは1961年にDesmond Knox-Leet, Yves Coueslant, Christiane Gautrotの3人によって創業されました。最初はファブリックを売っていましたが、1963年に香り付きのキャンドルを発売、次第に事業をそちらにシフトしていきます。1968年には最初の香水L’EAUを発表、その50周年を記念して発売された新作2本がTEMPO(テンポ)と今回ご紹介するFLEUR DE PEAU(フルールドゥポー)です。それぞれ60年代に流行った香料がメインに据えられ、TEMPOはパチュリ、FLEUR DE PEAUはムスクが使用されています。


香料:ムスク、アイリス、アンバーグリス、ピンクペッパー


「肌の花」と名付けられたこの香りは、ピンクペッパーの煌めきで幕を開けます。公式で明かされている香料には入っていませんが、私はアルデヒドを感じます。海外のクチコミサイトでaldehydic floralと紹介されていたので、あながち間違いではないのかもしれません。体感としてはアルデヒドが冷たさを与えながら全体をリフトしており、ムスクとアイリスがふわふわと身体を包んでくれると言うよりは、チョークを思わせる硬さと粉っぽさがあります。

スキンフレグランスの分類に含まれると思われ、拡散性が低く肌馴染みが良いためか、それとも私の肌の問題なのか、プッシュ数を増やしてもあまり強く香りません。ディプティックの他の香りでも感じることですが、トップ-ミドル-ラストとはっきり変化していかないため、ドラマティックな展開は期待せず、この冷涼感のあるアイリスをずっと楽しみたいかがポイントとなりそうです。

個人的には、人と会う際に個性のある香水をつけていくのは気がひける、とか、何かをプラスするタイプの香水をつけるには気持ちが疲れすぎているけど、何かしら纏っていたい時などに使っています。ひんやり硬質パウダリーなスキンフレグランスをお探しの方にはお勧めです。