とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

ODALISQUE(NICOLAÏ PARFUMEUR-CREATEUR)

NICOLAÏ PARFUMEUR-CREATEUR(パルファムドニコライ)は1989年に調香師Patricia de Nicolaïさん(女性)とその夫Jean-Louis Michauさんによって創業されました。当時は「調香師は男性がやるもの」という時代だったそうです。創業当初から「最高品質と完全なる創造の自由」を信条とし、マーケットに左右されない卓越したエレガンスを維持し続けていると自負しています。これはPatriciaさんの母方、ゲラン家の哲学とのこと。最近は息子のAxel de Nicolaïさんも事業を手伝っているようです。

日本では以前代理店があったようですが、現在はありません。ただしオンラインストアは全世界発送に対応しています。値段もメゾンフレグランスとしてはリーズナブルで、30mlサイズもあるのが嬉しいところです。

 

香調はシプレ。トップはマンダリンとベルガモットですが、マンダリン(蜜柑)が強いのか、いかにもジューシーなシトラスが明るく弾けるというよりは、熟れた桃を思わせる香りがフルーティーに上りたちます。

トップが過ぎ去るとリリーオブザバレー、ジャスミン、イリスのフローラルへ。ラストはオークモスとムスク…というのが明かされている香りのピラミッドなのですが、私の肌ではずっとフルーティーな「グリーン要素たっぷりの蜜柑✖️桃」が最後まで香り続けます。謎です。シプレですがパチュリが入っていないためか、つけて数時間経った後も重みは出てきません。

 

1989年発に発表され、当時のメインストリームがどのようであったかはわからないのですが、30年近く経った2018年現在つけてみると、かなり個性的に感じます。この独特なフルーティーな香りを好きになれるかは人に寄ると思います。海外のクチコミサイトを見ると絶賛している人とボロクソに言っている人と真っ二つに分かれており、後者に関してはかなりひどい言われようです。

ベルガモットが最高」「リリーオブザバレーの香水の最高峰」「素晴らしいシプレ」と形容している人もいれば、「ベルガモットどこ?」「リリーオブザバレーもジャスミンも見当たらないんだけど?」「シプレにも感じないよ」と私みたいなことを言う人もいるので、つける人の肌によって全く香り立ちは異なるのかもしれません。可能であればサンプルなどで少量から試されるのをお勧めいたします。

  

ちなみに、オダリスクとはトルコのハレム(後宮)にいる女奴隷や寵姫のことで、19世紀初頭、フランスの画家達(アングルやマティスルノワールなど)が好んで題材にしました。「オダリスク」でGoogle画像検索すると、「そんな格好してたら風邪引きますよ…」というような色白もち肌の女性が山のように出てきます。「ほんまにトルコの後宮にこんな人達いたんかいな!フランス人の変な妄想ちゃうか」とエセ関西弁でツッコミたくなること必至です。

 

個人的には、ニコライの最近の香りも試してみたいと思っています。特にCAP NÉROLI(EDT)はローズマリーやミントなども入っているネロリとのこと、是非一度嗅いでみたいです。パリにブティックがあるそうなのですが、残念ながらパリに行く予定がありません…。いつの日か!

 

追記2018.8.8】

2018年8月16日にオープンのNOSE SHOP銀座店(東急プラザ銀座3階)でニコライの取り扱いが開始になると発表がありました。実際に手にとって見ることができるのは嬉しいですね。