とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

Huemul(fueguia1833)

「清らかなアンデス山脈を力強く走り抜ける、美しいゲルマジカのように…」

ゲルマジカは絶滅危惧種らしく、以下サイトのパタゴニア旅行記では「幻のゲルマジカ」と書かれています。写真も見られます↓

www.kaze-travel.co.jp



いやーパタゴニア一回行ってみたいですね‼︎

フエムルはストーリーがあると言うよりは、「元々は動物性香料であるムスクを、植物性香料で表現してみたらこうなりました」という作品です。
ムスクは麝香とも呼ばれ、雄のジャコウジカの腹部にある香嚢(ジャコウ腺)から得られる分泌物を乾燥した香料、生薬の一種です。最近では動物保護の観点から合成香料にとって代わられていることが多いと聞きます。

 

明かされている香料は
1.Musk/Exaltone family 2.Massoia/Cryptocaria massoia 3.Jasmine/Jasmine lactone

WikipediaによるとMassoiaは樹皮から取られる香料で、だいたいどんな香りかと言うとココナッツ、クリーミー、ミルキーで、希釈するとクリーミー、ココナッツ、グリーン、僅かにフルーティーであるそうです。

(Huemul全体が、まさしくそのように香ります)

Massoia lactone - Wikipedia

 

ジャスミンも使われていますが、フローラルとして主だって前に出ることはなく、全てが渾然一体となって香ります。

店員さん曰く「つける人の体臭なのかどうかわからないように香る」とのこと、確かに身体に何らかの色をつけ加えるというよりは、まさに肌が「匂い立つ」ように感じます。

面白い嗅覚体験ができますので、もしお店に行く機会があれば、ぜひ肌の上で試されることをお勧めいたします。とはいえ、フエギア1833のお店では目の前に立ち並ぶフラスコに目移りしてしまい、腕が何本あっても足りないように感じてしまうことが多いのですが…