とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

LES PARFUMS LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)

ルイ・ヴィトンの香水シリーズ、「LES PARFUMS LOUIS VUITTON」は旅がテーマとなっています。2016年9月、ブランドとしては70年ぶりにフレグランスを発表し、話題を呼びました。販売する店舗も限られ、発売当初は香水を見るために人が押し寄せたという話も聞いたことがあります。
今回は全8種類(うち1種類は新作)をアルファベット順にご紹介します。全て時間が経ったムエットでの感想ですので、ラストノートがメインになるかもしれませんが、ご了承ください。

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関西では阪急うめだで取り扱い有り。お願いすると、ムエットを薄い紙の袋(写真)に入れてもらえます。あまり香りを封じ込める感じではないので、気になる方はプラスチック製の透明のムエット袋を持参してもいいかもしれません。

 

・APOGÉE(アポジェ)
スズランがメインの香り。「一番爽やかなもの」として店員さんからご紹介いただきました。スズラン以外では、ジャスミンマグノリア、バラが使われています。ガイヤックウッドとサンダルウッドが使われており、フローラルな中にもスモーキーさが感じられます。公式サイトによると、広大な自然への逃避行をイメージしているとのこと。フランス語辞書を引いてみると、Apogéeとは「頂点」「最高潮」「クライマックス」などという意味のようです。

 

・CONTRE MOI(コントロモワ)
バニラの香り。マダガスカルタヒチ産のバニラ、オレンジフラワー、ローズ、マグノリア、ビターココアが使われています。一見バニラとしてはフレッシュにも思えますが、公式曰く「旅路で出逢う2人の男女を彷彿させる」ということで、情熱と官能を感じさせ、クラクラします。どうでも良い話ですが、旅先で出会う人は「同じ行き先を選ぶ」という点で自分と同じような興味・関心がありそうですね。既に旅でテンション上がっている状態での出会いで、冷静な判断には欠けるかもしれませんけど。上手くいくといいですね。

 

・DANS LA PEAU(ダン・ラ・ポー)
ナチュラルレザーがメインの香り。アプリコット、グラース産ジャスミンと中国産サンバック、ナルシス、ムスク。お店でトップを嗅いだ際は、同じレザーでも後にご紹介するMILLE FEUXよりは重たく感じました。ラストがムスクだからなのか、ムエットに残った香りはフルーティーからは一転、大人の渋さのある、落ち着いた静かな香りになっています。

 

・LE JOUR SE LÈVE(ルジュール・スレーヴ)
最新作。旅立ちの直前の夜明けをイメージした香りで、マンダリンがメイン。ジャスミンサンバックとブラックカラントが使われた、明るさを感じさせる香りです。トップで私は葉っぱの香りを感じたように思ったのですが、お店の人曰く、最初に香るマンダリンの皮の部分をそう感じるのではないか、ということでした。

 

・MATIÈRE NOIRE(マティエール・ノワール)
漆黒の深い森、神秘の世界へと誘う香水です。パチョリ、アガーウッド(沈香)、ブラックカラント、白いナルシスやジャスミン。コレクションの中ではダントツでミステリアスです。

 

・MILLE FEUX(ミルフー)
ラズベリーとレザーの組み合わせ。レザーはレザーでも、これはヌメ革なのだそうです。調香師がルイ・ヴィトンのアトリエを訪れた際、ラズベリー色のバッグが目に入ったことから、この組み合わせを思いついたのだとか。他にはオスマンサス、イリス、サフラン。これは肌に乗せたのですが、かなりフルーティーです。レザー自体はDANS LA PEAUよりも軽めだと感じましたが、フルーツがどっしりと香るので全体としては重みがあります。

 

・ROSE DES VENTS(ローズ・デ・ヴァン)
グラースのローズ・ドゥ・メ(5月にしか咲かないバラ)を低温でじっくり抽出した香水。イリス、シダー、ペッパーが使われています。 割と王道の、可憐な薔薇香水であると感じました。

 

・TURBULENCES(タービュランス)
チュベローズの香り。Turbulencesとは、フランス語で「乱流」のこと。「一目で恋に落ちる衝動」からインスパイアされています。乱気流の中を飛んでいくようなイメージなのでしょうか。店員さん曰く、他のブランドのチュベローズ香水よりも甘みは少なめ。

 


単純に香調だけで見ると、フルーティーな色合いの強い物が多いと思います。

旅行鞄から身を起こしたブランドの香水が、どれも旅をテーマにしたものだと知り、納得しました。
調香師ジャック・キャヴァリエ自身はマティエールノワールを、奥様はローズデヴァンをお使いなのだとか。

香り立ちは強くて濃いめ。ハイブランドのバッグには「持っているだけでオーラを放つ」部分があると思っていますが、それに似た感じです。群衆に紛れ込むための香りではありません。
他のハイブランドで言うと、バッグで言えばエルメスやグッチ、宝石で言えばブルガリやヴァンクリーフ&アーペルなどがもう少し手に取りやすい価格の香水(他の商品に比べれば…ですが。モノによってはディスカウントに流出しているものも有り)を出しているのに比べ、ルイ・ヴィトンは100ml32,400円と、バッグに見合ったお値段です。ハイブランドの商品に対して、コスパ云々言うのは野暮なのかもしれません。