とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

アルード(ラルチザン パフューム)

アラビア半島の砂漠における黄昏をイメージした香水。黄金やミルラを運ぶキャラバン、全てが金色に染まる夕暮れを表現した香り。

AL OUDは2009年発表のEDP。調香師はベルトラン・ドゥショフールです。最近はウードの香り大ブレイク中の感がありますが、2009年頃から既に流行していたのでしょうか。各メゾン、中東ウケを狙っての戦略と聞きます。

 

こちらのサイトによりますと

BASB Magazine ドバイ 003 嗅ぐと究極の癒し効果!ドバイ流「人とかぶらない」伝統的フレグランス2つ


ウードの日本語名は「沈香」。アガーの木が菌に感染すると、傷を癒す為に芳香を放つ樹脂を出し始め、その部分の木片がウードとして利用されるそうです。マレーシア、ミャンマー、インドが人気の産地とのこと。中東というよりは東南・南アジアで採れるんですね。
かつてアラブの王族しか使用が許されなかったため、”香りのダイヤモンド”という別名があるそうです。

使われている香料は(既に廃盤となっているため、楽天のページから引用)
https://item.rakuten.co.jp/aromalab/lp11007608/
・ヘッドノート / クミン、カルダモン、ピンクペッパー、ドライフルーツ(デーツ)
・ハートノート / ネロリ、ローズ、アイリス、インセンス、ミルラ
・ベースノート / ウードウッド、サンダルウッド、レザーノート、アニマルノート、アトラス産シダーウッド、パチュリ、バニラ、トンカビーンズ
です。

 

ウードはベースノートに配置されてはいますが、最初からはっきりと香ります。つけた瞬間、ピュアディスタンスのブラックを思い出しました。ブラックは一切香料が明かされていませんが、ウードも使われているのでしょうか。ブラックの影響か、私は黒く塗られた漆を想像してしまいました。
ウードといえば癖のある香りというイメージですが、立ち上る香気は意外にも心地よく感じられます。しかしこれを心地よいと感じるかは人によりけりで、香水を使わない人にとっては結構ハードルが高いかもしれません。
トップはクミン、カルダモンやピンクペッパーが香りスパイシーですが、その後鉛筆削り(黒鉛部分も含め)を思わせるシダーウッドが香ります。さらに少し時間が経つとふわふわとしたウッディ・ムスクに変化します。つけてから1時間ほど経って、ドライフルーツなのかトンカビーンなのか、少々甘みが出てきますが、すぐに甘みは身を潜め、ラストはレザーとパチュリのマニッシュな香り。あまりアニマリックには感じませんでした。

 

いつかアラビア半島にも行ってみたいものです!