とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

Arpège(LANVIN)

1927年発表。Jeanne Lanvinが娘の誕生日にと、André Fraysse(ランバン初期の香りを担当)に調香を依頼し、ポール・ヴァシェ(ルガリオンの人でしょうか)の助けを得て完成した香りがArpège(アルページュ)です。

1993年にHubert Fraysseにより調香変更が行われ、最新の香料はおそらく(ネットの情報を総合すると)aldehydes, bergamot, neroli, and peach; a heart of jasmine, rose, lily of the valley, ylang ylang, coriander, and tuberose; and a base of sandalwood, vanilla, tuberose, vetiver, patchouli, and styrax.とのことです。

まずアルデヒドのリフトでほわあっと立ち上がった後に、この上なく優しいミドルがやってきます。

音楽のアルペジオ(分散和音)にちなんで名付けられたとのこと、次々に香りが変化して行きます。左右の手首に時間差でつけてみると変化がわかって面白いです。

同じくアルデヒドの名香であるシャネルのN°5と比較されることが何かと多いアルページュですが、前者が真っ直ぐで強い眼差しを思わせるのに対し、後者は母親が子供を慈しむような、優しい眼差しを感じさせます。

 

現在日本で正規の代理店を通じて購入できるのは名前を受け継いだ「エクラ・ドゥ・アルページュ」のみで、オリジナルは廃盤となっていますが、EDPはAmazonでも並行輸入品を買うことができます。

ボトルに描かれたジャンヌ・ランバンと愛娘の絵は、アールデコの父ポール・イリブの手によるもの。その絵はエクラ・ドゥ・アルページュにも受け継がれています。

ランバン エクラドゥアルページュ EDP(オーデパルファム)  30ml

ランバン エクラドゥアルページュ EDP(オーデパルファム) 30ml

 

名香と呼ばれながら廃盤になるのは少し寂しい気もします。「名香」って誰が決めるんでしょうね。