とある愛香家の日記

香水に対する偏愛ばかりを書き連ねております

No.1(GUCCI)

Twitterのフォロワーさんに小分けでいただきました。

調香師はギィ・ロベール。既に廃盤となっている香水です。香調はフローラルかつグリーン。アルデハイドが使われています。濃度はEDPだけです。

アメリカの香水クチコミサイト(?ライターが書いた記事もあります)fragranticaでは多数の人に絶賛されています。サイトの中にはネットショッピングの際の値段が書いてあるのですが、トワレで最低54.5USドル、パルファムでMAX265USドルと、とんでもない値段がついています。しかし何故か日本ではメルカリで数千円で買えたりします。アメリカ人が見たらびっくりするんじゃなかろうか…

 

スプレーした途端にクラシカルな香りに包まれ、時代は一気に過去へと飛びます。

「古いものなのでトップはだいぶ飛んでいる」とのことで、爽やかなトップはほどなくしてミドルへ。

…「こんなに優しい香りが世の中にあっていいのか」と思いました。

イメージは茶色い髪で三つ編みをアップにして顔立ちもやわらか、透けるような白い肌に頬は薔薇色、下がり気味の眉に茶色い澄んだ瞳をした、穏やかで思慮深い女性です。私の想像の中では、腕の部分がバルーンタイプになっている、緑色の古風なワンピースを着ています。

 

香り立ちはやわらかで割と拡散しません。決して今の時代でウケる香りではないと思いますが、現在多く売られている他の香水とは、品や格の違いを感じます。どちらかと言うとフェミニンなファッションに似合います。つくづく廃盤になったのが惜しい…。

とはいえ、近年の香水が「悪くて駄目だ」という訳ではありません。No.1と比べるともっとカジュアルなのです。Tシャツにジーンズにも似合い、私のようなほとんどラフな格好しかしない人間としては、クラシカルな名香と、カジュアルな近年のものと、状況に応じて両方楽しめば良いのだと思います。

 

この香水に出会えたことに感謝します。ご縁があって嬉しいです。

 

ちなみに、ギィ・ロベールはエルメスのカレーシュやディオールのディオレッセンスを作った調香師です。No.1がとても優しい香りだったのでこの2つもトライしようかと思ったのですが、ネットで調べてみる限り、カレーシュは軽めにリニューアルされた現在の品でも濃厚かつ甘い、ディオレッセンスはミステリアス・ビューティー全開でつけるべし、とあり、甘い香りが苦手かつ野暮ったさ全開な私には難しいような気もしています。残念です。