モン ゲラン(ゲラン)
アンジェリーナ・ジョリーにインスパイアされた香り、モン ゲラン(私のゲラン)。
アンジーのお母様がゲラン好きというご縁で今回の話が出てきたそう。ちなみに、今回得た収入は全て寄付したのだとか。
実は私は女優としてのアンジーは全く知らなくて、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の特使であるなど、慈善活動に力を入れている方、とだけ知っています。
いただいたサンプル。①のところを引っ張り上げると、なんとスプレーの口が出てきます。②の部分には香水の入った袋があり、押すとスプレー口から出てくる仕組みです。
明かされている香料は、カーラ・ラベンダー、ジャスミン・サンバック、サンダルウッド、バニラビーンズ。
噴霧した瞬間思い浮かぶ言葉は「ゆったり、たっぷり」。豊かな甘い香りが広がります。私の場合、最初からバニラが強く感じられ、それがラベンダー、ジャスミンと一緒にどっしりと香り、それをサンダルウッドが下支えしている、という構図です。どこか包容力のある器の大きい人物を彷彿とさせます。そこがアンジーなのでしょうか。
香り立ちも割とゆったりどっしりしているように感じます。全体としては甘重く、個人的にはこの香りがほのかに漂ってきたらものすごく癒されるけど、強く香ってきたらしんどいです。モンゲランに限ったことではありませんが、つける量には注意が必要かと思います。季節は冬がお勧めです。
アラビ(セルジュ・ルタンス)
セルジュ・ルタンスは2018年3月20日にボトルと価格を改定、さらに10種類もの香水を廃盤にすることが発表されました。
このアラビも廃盤になります。
夢の国アラビア。太陽、豊饒、神秘。
熟した果実、スパイス、木々は常に太陽に照らされ、
次第に乾いて甘く豊かな香りを放ち始める。
降りそそぐ日の恵みによってまとめ上げられた香りは、
肌の上で刻々と姿を変え、あらゆる表情をみせる。
(公式サイトより)
香料:シダー、マンダリンオレンジの皮のコンフィ、乾燥いちじく、ナツメヤシ、ムスク
アラビアをイメージした香りとのことですが、つけた瞬間に浮かんだイメージは「台湾」。
台湾には4度ほど行きましたが、特に台北を歩いている時に、ふと鼻をかすめるスパイスの匂い。何だろう?とずっと疑問なのですが、おそらくは八角なのではないかと睨んでいます。
この香りを「カレー」と形容する人もいるようですが、私にとってはインドではなく台湾。街を歩いていてスパイスの匂いに出会うと、ああまた台湾に来ることができた、と実感して嬉しくなります。
トップは例えて言うならば漢方薬。その後、クリーミーなドライフルーツの香りへと変わります。そこからクリーミーさは薄れ、落ち着きながらのラストノート。
ああ、また台湾行きたいな。旧正月前の迪化街(台北で人々が新年の食材を揃える場所)とか行ってみたい。台湾人の友人曰く今年の旧正月は2月15日とのこと、お祭りムードの台湾を歩いてみたいものです。
全然アラビア関係なくてすみません。中東に行ったことがなく、一番身近な「海外スパイス体験」がただ台湾だっただけ、ということでこんな連想になったのだと思います…。
台湾好きの方にも、すみません。一緒に阿宗麺線食べに行きましょう。
阿宗麺線[アゾンミェンシェン] | 台湾グルメ・レストラン-台北ナビ
※別に阿宗麺線からはアラビの匂いはしません
Arpège(LANVIN)
1927年発表。Jeanne Lanvinが娘の誕生日にと、André Fraysse(ランバン初期の香りを担当)に調香を依頼し、ポール・ヴァシェ(ルガリオンの人でしょうか)の助けを得て完成した香りがArpège(アルページュ)です。
1993年にHubert Fraysseにより調香変更が行われ、最新の香料はおそらく(ネットの情報を総合すると)aldehydes, bergamot, neroli, and peach; a heart of jasmine, rose, lily of the valley, ylang ylang, coriander, and tuberose; and a base of sandalwood, vanilla, tuberose, vetiver, patchouli, and styrax.とのことです。
まずアルデヒドのリフトでほわあっと立ち上がった後に、この上なく優しいミドルがやってきます。
音楽のアルペジオ(分散和音)にちなんで名付けられたとのこと、次々に香りが変化して行きます。左右の手首に時間差でつけてみると変化がわかって面白いです。
同じくアルデヒドの名香であるシャネルのN°5と比較されることが何かと多いアルページュですが、前者が真っ直ぐで強い眼差しを思わせるのに対し、後者は母親が子供を慈しむような、優しい眼差しを感じさせます。
現在日本で正規の代理店を通じて購入できるのは名前を受け継いだ「エクラ・ドゥ・アルページュ」のみで、オリジナルは廃盤となっていますが、EDPはAmazonでも並行輸入品を買うことができます。
ボトルに描かれたジャンヌ・ランバンと愛娘の絵は、アールデコの父ポール・イリブの手によるもの。その絵はエクラ・ドゥ・アルページュにも受け継がれています。
ランバン エクラドゥアルページュ EDP(オーデパルファム) 30ml
- 出版社/メーカー: LANVIN(ランバン)
- 発売日: 2011/10/26
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
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名香と呼ばれながら廃盤になるのは少し寂しい気もします。「名香」って誰が決めるんでしょうね。
No.1(GUCCI)
Twitterのフォロワーさんに小分けでいただきました。
調香師はギィ・ロベール。既に廃盤となっている香水です。香調はフローラルかつグリーン。アルデハイドが使われています。濃度はEDPだけです。
アメリカの香水クチコミサイト(?ライターが書いた記事もあります)fragranticaでは多数の人に絶賛されています。サイトの中にはネットショッピングの際の値段が書いてあるのですが、トワレで最低54.5USドル、パルファムでMAX265USドルと、とんでもない値段がついています。しかし何故か日本ではメルカリで数千円で買えたりします。アメリカ人が見たらびっくりするんじゃなかろうか…
スプレーした途端にクラシカルな香りに包まれ、時代は一気に過去へと飛びます。
「古いものなのでトップはだいぶ飛んでいる」とのことで、爽やかなトップはほどなくしてミドルへ。
…「こんなに優しい香りが世の中にあっていいのか」と思いました。
イメージは茶色い髪で三つ編みをアップにして顔立ちもやわらか、透けるような白い肌に頬は薔薇色、下がり気味の眉に茶色い澄んだ瞳をした、穏やかで思慮深い女性です。私の想像の中では、腕の部分がバルーンタイプになっている、緑色の古風なワンピースを着ています。
香り立ちはやわらかで割と拡散しません。決して今の時代でウケる香りではないと思いますが、現在多く売られている他の香水とは、品や格の違いを感じます。どちらかと言うとフェミニンなファッションに似合います。つくづく廃盤になったのが惜しい…。
とはいえ、近年の香水が「悪くて駄目だ」という訳ではありません。No.1と比べるともっとカジュアルなのです。Tシャツにジーンズにも似合い、私のようなほとんどラフな格好しかしない人間としては、クラシカルな名香と、カジュアルな近年のものと、状況に応じて両方楽しめば良いのだと思います。
この香水に出会えたことに感謝します。ご縁があって嬉しいです。
ちなみに、ギィ・ロベールはエルメスのカレーシュやディオールのディオレッセンスを作った調香師です。No.1がとても優しい香りだったのでこの2つもトライしようかと思ったのですが、ネットで調べてみる限り、カレーシュは軽めにリニューアルされた現在の品でも濃厚かつ甘い、ディオレッセンスはミステリアス・ビューティー全開でつけるべし、とあり、甘い香りが苦手かつ野暮ったさ全開な私には難しいような気もしています。残念です。
ハカランダ(fueguia1833)
日本語版公式サイトに書いてある香料(2016年のエディション)は1.Bergamot, 2.Cedar Moss, 3.Patchouliのシプレノートとなっていますが、2017年9月22日時点で英語版サイトを見ると1.Rosewood, 2.Mahogany, 3.SpruceのWoody Dryノートとなっており、店員さんも「ローズウッドが使われている」とおっしゃっていたので、おそらく英語版サイトの方が最新の情報であると思います。
ビブリオテッカデバベルとラホベンノーチェ(fueguia1833)
どちらもアルゼンチンの作家、ボルヘスの作品からインスピレーションを受けています。フエギアには文学作品にインスピレーションを受けて作られたものが多くありますが、その中でも特にボルヘスの作品が多いと感じます。
fueguia1833の世界観とCactus Azul&Darwinの物語
フエギアの香りの世界観と、購入した香りのバックグラウンドを書いてみます。