アクア セレスティア(メゾン フランシス クルジャン)
サンプルをゲットしました。
アクア セレスティアとは「天空の水」という意味。
アクア ヴィタエや、ベストセラーとなっているアクア ユニヴェルサリスなどの「アクアシリーズ」最新作です。
『空の青と海の青を繋ぐ、天国のような香り』『ライム、クールミント、ブラックカラントの天国のようなフレッシュさがプロヴァンス産ミモザによって和らげられている。ムスクの香りの、天空のような逃避行。』
とあります(大意)。
確かに「天空の水」かもしれない。フレッシュさと壮大さが同居している。
オフィスに良いのではないでしょうか。
ちなみに、こちらの記事が最高ですので、是非。
もうこの記事で全部説明されてしまっているんですが(笑)、
全体として少しパウダリーに感じます。記事によれば、これはミモザによるもの。ライムやミントがフレッシュなのですが、そこに薄いヴェールがかけられている感じです。それが「空の青と海の青を繋いでいる感覚」を作り上げているような気がします。
無限の広がりを感じさせるフレグランスです。
香り立ちはあまり強くないです。とても静かな香りだと思います。
フレッシュさはありますが、壮大さもあるので、元気が出てくる!というよりは、自然に肩の力を抜いて安らげるような香りだと思います。
…オフィスに良いのではないでしょうか!(2回目)
ローセルジュルタンス(セルジュ・ルタンス)
ドボーン(沼に落ちた音)
ルタンス先生…!
セルジュ・ルタンスと言えば、独自の世界観を持つことで知られるブランド。
公式ホームページを見ていただければわかるとおり、かなり独特のヴィジュアルです。
厳しい直線、影を感じさせる色。特徴的なのは黒色だと思います。
セルジュ・ルタンスはクリスチャン・ディオールや資生堂で様々な仕事をした人物。フランスの人間国宝(※フランス共和国文化芸術勲章コマンドゥール受章)とも聞きました。
ネットで画像検索していただくと、生気を全く感じさせない白い肌のモデルたちの写真が出てくると思います。
あまり柔らかさや優しさは感じません(笑)
私は「ちょっと怖いかも…」と、近寄りがたい雰囲気を感じていました。
しかし、私のtwitterのフォロワーさんたちにはルタンスのファンが多く、何か魅力があるのだろう、と気になってはいました。アットコスメを見ると賛否両論。ネットを色々見ていると「ルタンスはみんな影のある香り」「濃厚な香り」等々、様々なことが書かれていました。
…気になる。
気が付けば足がルクアイーレ8階(伊勢丹)のフレグランス売り場へと向いていました。
***
前置きが長くなりました。
セルジュ・ルタンスの水
それは、「清潔」なイメージ。「清潔」さとはラグジュアリーの原点。
フレグランス本来の意味。
まるでおろしたての白いワイシャツを着るような、喜びと気持ち良さが実感できる香り。
フレッシュ感が持続する、それでいてエレガントな香り。
今までのラインとは異なる観念で作られた新しい価値観の香り。
(公式ホームページより)
「ロー」(フランス語で「水」)と名の付く香水は色々あります。
ディプティックの「ロー」(これとはまた別の、「ロンブルダンロー」もありますね)や、ラルチザンのロードラルチザン。そしてこの、ローセルジュルタンス。
「水」と銘打つからには、何か作り手の特別な想いが込められているのだろう、と推測します。
公式ホームページでは香料は明かされていませんが、お店にあった説明を読んだところ、マグノリアやクラリセージが使われているとのこと。調べたところでは、合成香料のアルデハイドやオゾンノートが使われているようです。
こちらのサイト↓によれば、
オゾンノートとは「独特のツンとしたガスのような香りが特徴。空気のようなライトさと透明感で人気」とのこと。
その時々で感じ方は変わるのですが、涼感を強く感じる時に私が思い起こすのは、猛暑の夏にガンガンに冷房が効いた室内に入った時に感じる、あの空気感。
これがオゾンノートなのでしょうか。鼻梁から喉の奥まで、スーッとした空気が入っていきます。
…なんというか、かなりの清涼感です(※時により、あまり感じないこともあります)。
フレッシュはフレッシュなのですが、冷たい、無機質なイメージもあります。
うーん。ヴィジュアルで見るイメージのとおり、厳しい香りなのだろうか。
最初は少しびくびくしました。
それがつけていると、次第に清涼感がフェードアウトしていき、丸みがでてくるのです。温もりすら感じます。
ムエットだと、冷たい香りのままなのに。
フレグランスをつけていて、自分に体温があることを実感したのは、初めてでした。
全体として静かな作品だと思います。トップも、マグノリアの柔らかさが入っているため、金属のような香りではありません(この柔らかさはトップが終わっても持続します)。
外側に強く主張するというよりは、(清涼感含め)肌の上を沿うように香っていく。そんな香りだと感じました。
…ところで、梅田のルクアイーレ8階のメンズフレグランス売り場はとても良いです。メンズのみならずユニセックスも(場合によってはウィメンズ寄りと思われるものも)置いてあります。
何よりも良いのは、人が少なめで、高級感溢れる店内でゆっくりと香水を見られること。
他の百貨店のフレグランスコーナーだと女性客が中心で、ひっきりなしにお客さんが来ていて(私含めですが)、様々な香水の匂いで充満していますが、こちらはそれに比べるとフラットな環境で香りを見られるように思います。
セルジュ・ルタンス、ヒーリーやイルプロフォーモなどのレアなフレグランスを見られるのも魅力です。
イストワール ド オランジェ(ラルチザン パフューム)
諸事情ありましてラルチザンの夏限定新作、イストワール ド オランジェ(HISTOIRE D’ORANGERS)の5mlボトルをゲットしました。
フレグランスファミリー :フローラル
(フレッシュ サニー フローラル)
ヘッドノート :ネロリビガラード、ホワイトティー
ハートノート : ムスク、オレンジブロッサム、モミアブソリュート
ベースノート :アンバーノート、トンカビーン
調香師 :マリー・サラマーニュ
聞けば「モロッコにインスピレーションを得た香り」とのこと。
一度訪れたことがある国です。
最初に思ったのが、モロッコのどのあたりだろう、ということでした。
というのも、モロッコには一年中温暖な気候の大西洋沿いの海岸、アトラス山脈の高地、典型的な内陸性気候であるサハラなど様々な地域があり、その気候は一言では表せないのです。
このような緑の大地もモロッコですし
このような乾いた大地もモロッコです。
砂漠の中で咲く花は、それはそれは美しいものでした。
で、今回調香師が旅したのはどのあたりかというと(ここからが本題)、タルーダントという街。
アトラス山脈の南側でした。私は行ったことがないのですが(ないのかよ)、内陸の乾燥地帯だと思います。(ちなみにGoogleでタルーダントで画像検索すると、素敵な世界が現れます。)
肝心の香りはというと。
トップからネロリが綺麗に香ります。そこにホワイトティーが高温で鳴り続けている感じです。陽射しの強い、乾燥した大地にはぴったりの香りだと思います。
そこに徐々にモミの木の、爽快感のあるグリーンが加わります。
私の場合、結構長い時間ホワイトティーが鳴り続けた後、ムスクとアンバーがやってきました。それまでのはっきり・くっきりした香りに、急にベールがかけられたよう。一気に柔らかくなります。ほっとする感じ…。
ラストはトンカビーンで締めくくられます。
個人的には、前半のクリアな高音のようなトーンと、後半の柔らかくほっとするようなトーンとの対比が面白いと感じました。
さて、このモロッコの香りは、日本の夏でどのように香るのでしょう。
今日も暑いです。みなさま、熱中症にはお気をつけください。
(結局お前が旅の記憶を振り返りたくてこの記事を書いたんだろ、というツッコミは受け付けます)
ジュニパー スリング(ペンハリガン)
Twitterでのフォロワーさんに「トップはクールダウンできるようなフレッシュな香りで、ベースに纏め力のあるしっかりとした香り」とお勧めいただきました。(ちなみに、同じ系統として、モン ニュメロ9もお勧めいただきました)
箱からして美しすぎます…!
ペンハリガンのボトルはみんなリボンがかけられているのですが、このジュニパースリングのリボンはメタルになっています。かっこいい!
「黄金の1920年代へのオマージュとして当時のロンドンを象徴する最もムーディーなお酒、ドライ・ジンに着想を得た遊び心あふれるフレグランス」(公式より)。誕生は2011年です。
ヘッドノート:シナモン、オレンジブランデー、アンゼリカ、ジュニパーベリー
ハートノート:カルダモン、レザー、ブラックペッパー、イリスウッド
ベースノート:ブラウンシュガー、ブラックチェリー、ベチバー、アンブロックス
調香:オリビエ・クリスプ
トップはシナモンを強く感じました。スッキリしたベリーの香り…これがジュニパーベリーでしょうか。オレンジブランデーのうっとりするような香りも感じます。
そこから木の匂いが徐々に出てきます。ブラックペッパーの小気味好いスパイシーさも。そしてレザーの滑らかさが心地よく感じられます。うう、堪らない。
ラストにはベチバー。私の肌では渋いウッディ系の香りがします。うう、堪らない(2回目)。
うだるように暑い毎日。柑橘系のフレグランスですら色を感じて、無色をイメージさせる、スッキリしたフレグランスを探していました。以前ペンハリガンのホリデーコレクションで使ってみたこともあり、今回はあらためて試さずに買った(ネットで安く売っていたので。)のですが、試してみたら「無色透明」というよりは、「ジュニパースリング色」とでも言うべき、スパイスやウッドやレザーが楽しく踊る、愉快なフレグランスでした。公式の言う通り、【遊び心溢れるフレグランス】だと思います。
以前はフレグランスを使い始めたばかりで、この良さがわからなかったんですよね…色々な香水を嗅いで、Twitterでフォロワーさんからフレグランスのことを色々教えていただけるようになった今再会できて、本当に嬉しいです。受ける印象が全く違います。
今回夏用にと購入したのですが、夏はもちろんのこと、冬用にも使えるのではないでしょうか?つけての第一印象がシナモンですし、カルダモンやブラックペッパーも冬の寒い中自分を元気づけてくれそうです。
余談ですが、私は冬になると、シナモンを使った、スパイスの効いたチャイが飲みたくなります。
私は(お酒に弱いのもあって)ジンを飲んだことがないのですが、今度機会があったらジントニックなどを飲んでみたいと思います。
気軽に入れる良いバー、ないかなあ・・・
LA CHASSE AUX PAPILLONS シャッセ オ パピオン(ラルチザン パフューム)
サンプルをいただきました。
シャッセ オ パピオン(LA CHASSE AUX PAPILLONS)の邦題は「ちょうちょをつかまえて」。
幼いころちょうちょを追いかけて遊んでいた思い出を表現する香り、と店員さんに説明してもらいました。
フレグランスファミリー / フローラル
(フレッシュフローラルブーケ)
ヘッドノート / ベルガモット、マンダリン、ピンクペッパー
ハートノート / オレンジブロッサム、ジャスミン、リンデンブロッサム、レモンツリーブロッサム
ベースノート / チュベローズ、イランイラン
調香師 / アン・フリッポ
ホワイトフローラルブーケです。
最初から結構甘いです(※甘くないとおっしゃる方もたくさんいらっしゃいます)。
子ども時代をモチーフにしており、天真爛漫で、多幸感に溢れています。それと同時に、甘美で艶やかな、大人でしか味わえない何かが同居しているように感じます。華やかですが、もったり重くなることはありません。ちょうちょだからでしょうか。
私の中でイランイランやチュベローズは「官能的な大人の香り」なのですが、これは少女時代の記憶の香り。少し意外なように感じました。しかし、ディプティックのドソンというチュベローズの香水も、子ども時代のベトナムでの思い出をテーマにしたものなので、もしかしたらチュベローズはどこか懐かしさを感じさせるものなのかもしれません。
最高にハッピーで、気分を上げてくれる香りだと思います。
シャッセ オ パピオンにはオードトワレと、「エクストリーム」とつくオードパルファムがあるのですが、オードトワレ版の少女が少し成長した姿がオードパルファムとのことです。確かに、トップの印象が少し大人っぽいような気がします。
蛇足ですが、今回ブログを書くためにアットコスメを見てみたのですが…みなさん私と真逆のことを書いていらっしゃったりします(笑)人によって感じることは全然違うんだなあ、と実感しています。
PASSAGE D'ENFER パッサージュ ダンフェ (ラルチザン パフューム)
モン ニュメロ9を購入した際、「お客様にきっと似合われると思いますよ」と店員さんがサンプルをくれました。結論から言うと、超~~~好みの香りでしたので、ご紹介します。
(パピオンもいただきました)
パッサージュ ダンフェ(PASSAGE D'ENFER)は「地獄通り」という意味。
その名前は、1970年代にラルチザン パフュームの本社があった通りの名称にオマージュを捧げているところから来ているそうです。
しかし全く「地獄」というような香りではありません。むしろ「天にも昇る心地よさ」「静寂と瞑想を表現するような香り」(公式より)です。
ラルチザンの中では、「ウッディ フローラル オリエンタル」の中に分類されています。
使われている香料:
ヘッドノート / ローズ、ジンジャー
ハートノート / インセンス、ユリの花、伽羅
ベースノート / サンダルウッド、シダーウッド、ベンゾイン、ホワイトムスク
調香:オリヴィア・ジャコベッティ
トップはローズ、ジンジャーとあります。ローズはあまり強く感じません。私はローズが苦手なのですが、ローズにありがちなツンとした匂いもありません。最初からインセンスは香っているように感じます。そこにジンジャーが効いて、印象的な出会い。
第一印象は・・・「教会の匂い!」
昔ヨーロッパを旅した時に巡った教会の数々を思い起こさせるような香りなのです。お香が焚き染められ、自分の足跡すら響いてしまうぐらい、静謐な空間。(教会は天井が高いので、音が響くんですよね。)
インセンスが使われてはいますが、日本のお寺の匂いではありません。
ミドルではユリの花が出てくるからか、やわらかみが出てきます。っていうか伽羅!超高級香料ではないですか!「本当に使われているんですか?香りのみならずお値段も素敵ですがそれでもコスト大丈夫なんですか?」と勝手に心配してしまいます。
ラストはサンダルウッドが出てきます。それもバーン!!と出てくるというよりは、奥の方から優しく出てくるような感じです。憎い、憎いよラルチザン…。その後、清々しいシダーも感じられます。
全体として、華やかな香り立ちというよりは、とても内省的な印象を受けました。自己主張のためではなく、自分のためのフレグランス。自分自身と向き合うような。
それにしても、ラルチザンの香りとの出会いはどうして毎回こんなに鮮烈なのでしょう。
Twitterのフォロワーさん達に「沼」と呼ばれる理由が、わかった気がします。
MON NUMÉRO 9 モン ニュメロ9(ラルチザン パフューム)
ラルチザン パフュームのモン ニュメロ9(MON NUMÉRO 9)を現品購入いたしましたのでご紹介します。
twitterのフォロワーさんにお勧めいただき、百貨店で試したらあまりの良さにのけぞりそうになり、恋に落ちました。初めてのラルチザン。鮮烈な出会いです。
普段は手首につけてから30分~1時間ぐらいはショッピングなどしながら様子を見て、購入するか否か決めたりするのですが、これは家に帰ってきちんとラストまで嗅いで、日を改めて買いました。その場で衝動買いしなかっただけでも褒めてほしい…。(←結局買っていることに違いはないだろ、というツッコミはさておき)
ラルチザンでは、「シトラス アロマティック フローラル アンバリ―」に分類されています。つまり「もはやこの香水でひとつのジャンル」ということでしょうか。
レモンが使われてはいますが、個人的には、単なる「柑橘系」というくくりにはしたくない香りです。
ヘッドノート / レモン、コリアンダー、レモンプチグレン、カルダモン
ハートノート / シクラメン、シソの葉、ターキッシュローズ
ベースノート / ミルラ、べチバー、パチュリ
調香師 / ベルトラン・ドゥショフール
最初はレモンが香りますが、綺麗なレモンジュースというよりはレモンピールの匂い。そしてレモンプチグレンのせいか、木や葉を感じ、しっかりした印象を受けます。そしてカルダモンがスパイシーさをさりげなく加えています。
※プチグレン=主にビターオレンジの枝や葉から抽出される香料。ここではレモンプチグレンとあるため、レモンの枝や葉から抽出されているものと考えられます(推測です)。
ミドルはシソの葉。トップの印象はそのままに、爽快な葉っぱの要素が強くなります。青臭くはないです。私はローズが苦手なのですが、幸いなことに(?)あまり感じません。
ラストはミドルから大きく変化しないように思えますが、かすかにパチュリを感じます。
モン ニュメロ9は単なる「軽くて爽やか」な香水ではありません。一本芯が通っている、しっかりした香り。
そんな香りなのに、コロンなんです。トワレとかパルファムではない。この事実を知った時、「くッ…これが【香りの職人】(=L'Artisan)ということかッ…!」となんだか憎い気持ちになりました。
Twitterのフォロワーさん達がラルチザンを「沼」と形容されていましたが…
…見事に落ちてしまった気がします。
<追記2018.1.16>
日本国内では廃盤になってしまいました。売れなかったのでしょうか…本国ではまだ取り扱いがあるようです。
本国公式サイトによれば、
「シトラスだけでなく、意外性のある香料がともに立ち上がります。コンセプトは日本の温泉から漂う、元気が出てくるような香り。コロンも温泉も、感覚を目覚めさせてくれます。」
…って思いっきり日本の温泉がテーマじゃないですか!なのに国内廃盤にして良いんですか?と思いつつも、「大人の事情」もあるのだろうなと推察し、今回は筆を置くことにいたします。
<追記2018.5.23>
2018.6.20から再販になります。ボトルは黒いものから透明なものに変更になるとのことです。