MOTHER ROAD 66 (パルファン サトリ)
トップ:レモン、ベルガモット、マンダリン、ガルバナム、ブラックペッパー
satori(パルファン サトリ)
最高の沈香木・伽羅の香りが香炉から立ち上る様を表現したフレグランス。
パルファン サトリの調香師、大沢さとりさんの名前を冠しています。
http://parfum-satori.com/jp/collection/satori.html
ミドル:シナモン、クローブ、カカオ、バニラ
ラスト:オリバナム、サンダルウッド、オークモス
辛・苦・甘・酸・鹹の五味を持つと言われる伽羅の香りが表現されています。
(実際の伽羅は香料として使用されていません)
トップノートを嗅いですぐ、私は「お寺の香り」をイメージしました。
しんとしたお堂の中で香る清冽な匂い。その中で手を合わせる。あの清々しい雰囲気。
その後に、スパイスが複雑に絡み合うミドルがやってきます。とても心地良く、温かみのある香りです。ラストはとても柔らかく終わります。
ちょっと独特な香りです。お寺の香りがお好きな方はハマるかもしれません。
エンプレッサ、ラヴァンティウム(ペンハリガン)
ペンハリガンのTRADE ROUTES COLLECTIONのうち、2つを試香してきました。
TRADE ROUTES COLLECTION | Penhaligon's | ペンハリガン公式オンラインストア
もうひとつのロタール(紅茶を運ぶ帆船のイメージ)は試したことがあり、今回はエンプレッサとラヴァンティウムです。
1.エンプレッサ(EMPRESSA)
インスピレーションは、世界の海洋貿易の中心として栄華を極めた19世紀末のロンドンから。え…女帝?!(英語力なしのため不明)という感じですが、実際は上流階級の女性たちのために運ばれたシルク製品やパールをイメージ。ジューシーでなめらかです。
トップ:ブラッドオレンジ、ベルガモット、マンダリン
ハート:ピーチ、カシス、デューベリー(ブラックベリーの一種)、ローズ、ネロリ、ゼラニウム、カルダモン、ピンクペッパー、ブラックペッパー
ベース:バニラ、ココア、フランキンセンス、アンバー、ムスク、ウッズ、パチュリ、サンダルウッド、マルトール
…意外と使いやすいぞ?!というのが、正直な感想。
2.ラヴァンティウム(LEVANTIUM)
埠頭に並ぶウェアハウスを埋め尽くしたオリエンタルな宝の山がモチーフ。
まずラムを思わせるダヴァナ(ヨモギ)と、禁断の酒アブサンから始まり、スパイシーフローラルへと移っていく。その後は贅沢なウッディノートへ。
トップ:ベルガモット、ダヴァナ、サフラン、アブサン
ハート:ローズ、ジャスミン、ヴァイオレット、クローズ、カルダモン、イランイラン、ピーチ
ベース:アンバー、ミルラ、ガイアックウッド、サンダルウッド、シダーウッド、ウード、パチュリ、ムスク、マルトール、バニラ
お店の方には、「お香の香り」と言われました。確かに、贅沢な木の香りがします。特に私が気づいたのはウードでしょうか。ちょっと独特の香りです。
なお、本国イギリスではTRADE ROUTES COLLECTIONには日本で売られていないものもいくつかあり(エジプト、モロッコ、トルコ…)、最近では2つ新作が出ている模様。Agarbathi(インドのお寺の香り)とPaithani(これまたインド。スパイス、ローズ、ミルキーノート)です。
ペンハリガンにはマラバー(東インドのスパイスルートを巡る旅をイメージ。紅茶の香り)やヴァーラ(ジョードプルの街の思い出)という、インドをイメージした香りが既に複数あります。純粋にインドが好きなのか、オリエンタリズムなのか、それとも統治していた時代へのノスタルジーなのか。本当のところはわかりませんが、ペンハリガンはインドに何か特別な思い入れがあるのかもしれません。
Trade Routes | Collections | Penhaligon's
ル シェブルフイユ、イル オ テ、デュエル(アニック グタール)
アニック グタールは以前プチシェリーがあまり合わなかった記憶があり、あまり試してこなかったのですが、フォロワーさんたちがよく話題にされていることもあり、いざフレグランスコーナーへ。ムエットでの試香です。
1.ル シェブルフイユ
ブランド創始者の娘であるカミーユが子供の頃、ハニーサックル(シェブルフイユ)で王冠を編み遊んだ思い出が元になったフレグランス。ハニーサックルとはスイカズラのこと。
春の訪れを告げる香り。あたたかな日差しの下で、花で遊ぶ少女…そんなイメージが浮かびます。シンプルに、「とても幸せな、良い香り」だと思います。嫌いな人はいないのではないでしょうか。私もムエットを何度も嗅ぎました(笑)
Café des Parfums|カフェ デ パルファム|アニック グタール|ル シェブルフイユ オードトワレ
2.イル オ テ
アジアを旅する中でインスピレーションを得た香り。ネーミングは「お茶の島」。
香料はグリーンティー、マンダリン、オサマンサス、ホワイトムスク。
「緑茶~!」というほど緑茶ではないです。シトラスのすっきりさもありますが、レモンティーというわけでもありません。ただ、グリーンティーの香りだからなのか、爽やかでありながらとても落ち着きます。
Café des Parfums|カフェ デ パルファム|アニック グタール|イル オ テ オードトワレ
3.デュエル
メンズです。決闘という名前から、闘いに使われる革の手袋が表現されています。プチグレンにグリーンマテのレザーノートをブレンド。
レザーが前面に出ているというより、どちらかというとハーバルな印象を受けました。レザーが全体を支えている感じです。
しかし、名前に反して深く柔らかく、ある意味面白い香りだと思います。好戦的、攻撃的な印象は一切受けません。むしろとても楽しい香り!
メンズ向けなので、上記のレディース向けとは少し趣が違う感じ。3つの中で一番気になりました。
Café des Parfums|カフェ デ パルファム|アニック グタール|デュエル オードトワレ
アニック グタールは楕円形のボトルがめちゃくちゃ可愛いんです(デュエルはメンズなので四角いボトルですが)。
香りも全体的に優しいので、気持ちまで優しくなれそうです。
アンバー&ラベンダー、ナツメグ&ジンジャー(ジョーマローンロンドン)
ムエットでの試香です。
ジョーマローンロンドンのスパイシー系には2種類あります。
そのうちのひとつが、アンバー&ラベンダー。店員さん曰く、クラシカルな香りとのこと。
トップノートはプチグレンとラベンダー。そこに樟脳やはちみつ、干し草が加わります。ラストはアンバー。スパイシーでありながら、温かみのある香りです。
もうひとつはナツメグ&ジンジャーです。こちらはジョーマローンロンドンの最初のフレグランス。柑橘系も入っており、人によっては最後までレモンが香るようです。香料はジンジャー、ナツメグ、シダーウッド、サンダルウッド。
どちらが夏向きかと言われれば、ナツメグ&ジンジャーの方がすっきりしていて、これからの暑い季節にも合うのではないか、というお話でした。しかし私はアンバー&ラベンダーの温かみも忘れられません…!いや、確かに秋冬につけたいけどさ…!!ふおおおお…!!!
今回は残念ながら手首につけることは叶いませんでしたが(他のものをすでにつけていたので)、ASAPで肌に乗せに行きたく思っております。
夜間飛行 香水(ゲラン)
1933年、ジャック・ゲランによって生まれた名香「夜間飛行」。友人アントワーヌ・サン=テグジュペリの小説にヒントを得て創作されました。当時の著名な女性パイロットであったエレーヌ・ブーシェのように、女性らしさを失うことなく、男性中心の社会でも自分の立場を貫き、冒険的で志のある女性に捧げられた香りです
(公式サイトより)
このエピソードに泣きそうになります。
オーデトワレのデザインも素敵なのですが、香水の瓶が芸術的としか言いようがないのでぜひご確認ください。
私が試したのはトワレではなく、香水のほうです。お店の方曰く、香水のほうがトワレよりアルコール量が少ないので、もっとパーソナルに香るということです(トワレのほうが拡散するそう)。
香調はオリエンタル・シプレー。トップはグリーン ガルバナム。ハートではスイセン、バイオレット、カーネイション、ジャスミン、ローズが花を咲かせます。スパイスやアンダーグロースも入っています。
と、公式サイトやパンフレットを見ながら書いてみましたが、実際はとても複雑な香りです。
肌に乗せてもらった時、「これが…これが名香か…!!!!!」と雷に打たれたようになりました。
「名香」という言葉に私はひどい偏見を持っていて、「有名であるものの、現代的ではない」というイメージでした。しかしこれは紛れもない「本物」。時代なんて関係ない。古びることがない。時を超えて、現代を生きる私たちの心に迫ってくるもの。偏見ぶち壊し。
そもそも私は「シプレー」というジャンルが苦手でしたが、これは大丈夫でした。しかし、それとは別の理由で、私のような小娘は使いこなすのに少し時間がかかるかもしれません。
「女性らしさを失うことなく、男性中心の社会でも自分の立場を貫き、冒険的で志のある女性に捧げられた香り」。1933年に発せられた、この力強いメッセージ。
80年以上経った2017年の今になっても、女性が男性と同じように働くのにはハードルが高いし、そうでなくてもジェンダーに縛られることは本当に多い。時折泣きそうになるけど、それでも、顔を上げて、前を向いて歩いていく。それを後押ししてくれる香りだと思います。
ゲランはそもそも、香水からスタートしたブランドだそうです。今日まで5代にわたる調香師たちが800種類以上ものフレグランスを作ってきたとのこと。
今回初めてゲランの香水を試してみましたが、ブランドとしての骨太さに参ってしまいました。また色々嗅ぎに行ってみようと思います。
Esprit du Tigre(ヒーリー)
読み方がわかりません(笑)エスプリ ド ティグールでしょうか。
ヒーリーでミントが入っているもの第二弾です。
お店で肌に乗せてみました。
トップ:Camphor . Peppermint . Spearmint . Winter Green
ミドル:Cardamon . Clove . Black Pepper
ラスト:Vetiver . Cinnamon
ミントというかスパイス満点な感じ。
パッケージに虎が描かれていることもあってタイガーバームを連想してしまいました(嗅いだことないけど)。この軟膏っぽい匂いを好きと感じるかで好き嫌いが分かれそうです。
それもそのはず。この香りはもともと、樟脳やミント、スパイスなどが使われた古代中国の治療薬からインスパイアされているのです。それ故か、我々日本人には「軟膏っぽい」と正直感じる部分があるのですが(私だけだったらすみません)、本国イギリスではみなさんどう思われるのかしら?
ちなみにこの香水の男女別イメージは
男性:機敏なスポーツマン。身なりがきちんとしている。
女性:やわらかい黒髪。彩り豊かで温かく、光り輝いている。
だそうです(公式サイトより、拙訳)。中国の美しい人のイメージなのでしょうか…